内容説明
「昭和二十八年四月、早稲田大学仏文科に入学して、三浦哲郎と出会った」―往時の日記を援用しながら、親友でしか描けない筆致で在りし日の三浦哲郎像を懐かしみつつもときに冷えた眼で刻す。
目次
1(オメガの時計;北館の一夜;「パピヨン」の頃 ほか)
2(映画のこと;「青春の手紙」のこと;素寒貧だった頃;八木義徳さんとの対談から ほか)
著者等紹介
竹岡準之助[タケオカジュンノスケ]
1934(昭和9)年、京都市生まれ。早稲田大学第一文学部フランス文学科卒業。学生時代に三浦哲郎、佐藤光房らと同人誌『非情』を創刊。64年、あすなろ社を創業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かすり
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作者は三浦哲郎の大学の同級生(年齢は3歳下)であり、あすなろ社という出版社の創業者である。大学に入学してすぐに知己になり、亡くなるまで(亡くなった後も)続いた交友の記録が淡々とした筆致で綴られている。『「青春の手紙」のこと』の章は特に胸を打たれた。個人的な想像だが、三浦哲郎が作者に迷惑をかけたことも多々あっただろう。そういうエピソードもなくもないが、それは最小限にとどめられている。抑えた表現の中にどれほどの(盟友を失った悲しみ、文学を志し挫折したこと、等等)思いがあるのだろう。2014/05/05