著者等紹介
新美南吉[ニイミナンキチ]
児童文学作家。1913年7月30日、愛知県知多郡半田町(現・半田市)に生まれる。中学生時代から創作を始め、19歳で雑誌「赤い鳥」に「ごん狐」が入選掲載される。1936年(23歳)東京外国語学校英語部文科(現・現在の東京外国語大学)を卒業。その後、体調が悪化し11月に帰郷。1938年(25歳)中学校教員免許を取得し、安城高等女学校の教員となる。1941年(28歳)「良寛物語 手鞠と鉢の子」、翌年に童話集「おぢいさんのランプ」を出版。1943年(29歳)病状がさらに進行し、2月に安城高等女学校を退職。3月22日、喉頭結核のため29歳で死去。数多くの童話、小説、詩、童謡、戯曲などを創作している
北山貴子[キタヤマタカコ]
イラストレーター。岡山県倉敷市生まれ。新美南吉生誕100年第1回新美南吉絵本大賞・優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夢追人009
219
新美南吉さんの童話の27編目は小鳥と去年の木の哀しいけれど心を打たれるいい話ですね。一本の木と一羽の小鳥とは大変仲良しで、木の枝で小鳥が一日中歌をうたうのを木が聞いていました。けれど寒い冬が来るとお別れになり、来年また来るわと言って小鳥は南へ飛んでゆきました。春になって小鳥が仲良しの去年の木の所に来ましたが、何とそこには木がなくて根っ子だけが残っていました。小鳥が根っこに聞くと「木こりが斧で打ち倒して谷の方へ持って行っちゃったよ」と言いました。谷の底には大きな工場がありました。入口の門に小鳥が聞きました。2023/07/31
ヒラP@ehon.gohon
15
大人のための絵本2023/01/01
ちみたんママ
5
〈息子喰いつき度〉★★★☆☆ 〈私気に入り度〉★★★★☆ 8歳息子のドリルに出てきて気になったので検索したら、絵本として出版されてたのはこれだけ。新見作品の中では目立たない方かも。でも私は好きです。ラストの鳥の行動は色々解釈ができると思う。私は、いなくなった者への惜別と残された者として生きていく決意がごちゃ混ぜになった…悲しいけれど、どこか爽快な感情を感じました。息子はじっと聞き入って、読後「あ、これ新見南吉かぁ!」とひと言。キミは新見南吉の何を知っとんのじゃ(笑)。 2024/04/19
憂杞
2
たとえ時が過ぎて待ち人がその姿を変えても、小鳥は再会を望んで広い空を飛び回っていく。 ほっこりするお話で、絵の感じともよく合っている。木が切り倒される場面の見開きにはあっと驚かされた。2020/05/12
だいきち
1
木と小鳥は仲良し。でも小鳥は渡り鳥らしく飛び立っていく。翌年再びやってくるとそこに木はなく、切り倒されてマッチになってしまったと聞かされる。小鳥はそれを辿って一軒の家に行く。少女にマッチはどこかと聞くと、「マッチはないがマッチでつけた火がここにある」とランプを示す。小鳥はそれをじっと見つめて歌を歌い、やがて飛び立っていく。2018/12/20