出版社内容情報
【著者紹介】
北海道生まれ。『しまふくろうのみずうみ』では絵本にっぽん賞を、『きたきつねのゆめ』はボローニア国際児童図書展グラフイック賞を、『おおはくちょうのそら』はドイツ児童文学賞絵本部門ノミネート賞など、数々の賞を受ける
著者等紹介
手島圭三郎[テジマケイザブロウ]
北海道生まれ。「しまふくろうのみずうみ」で絵本にっぽん賞、「きたきつねのゆめ」でボローニァ国際児童図書展グラフィック賞受賞、’87ニューヨークタイムス選世界の絵本ベストテン。「おおはくちょうのそら」’88ニューヨークタイムス選世界の絵本ベストテン(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
298
手島圭三郎は初読。この人には「北の森から」(本書もこのシリーズの1冊)や「アイヌ・ユーカラの世界」のシリーズなどがあり、北海道を拠点に活躍している。さて、本書だがお話は、一部にきたきつねの幻想譚を含むものの、全体としては擬人化を避け、冬の自然界における動物たちを遠くから眺めるように描く。絵は、表紙のように木版画に彩色をほどこしたもの。お話とあいまってきたきつねの身体と表情の持つ厳しさと力感を巧みに表現するが、それもこの技法によるところが大きいだろう。2023/12/18
ぶち
99
読友さん(ベーグルグルさん)のレビューで手に取りました。 冬の北海道の凍てつく寒さのなか、一匹のキタキツネがユキウサギを追っかけていった先で親兄弟たちと過ごした楽しく幸せな幼いころの暮らしを懐かしく思い出すという不思議な体験をします。その不思議な体験から目覚めると、素敵なメスの狐に出会います。それは、冬が過ぎた暖かい春と新たな幸せな家族を連想させる素敵なシーンです。 この本で作者の手島さんのファンになりました。そして、『北の森の動物たち』シリーズをすべて読んでみたくなりました。2019/11/17
ままこ
86
以前たまたま観ていた日曜美術館で紹介されて読みたくなった作品。ダイナミックな版画で描かれた北の森で暮らすキタキツネの美しい幻想的なお話。獲物に導かれてたどり着いた不思議な森でキタキツネが見たものは…。凛とした空気感や温かみが伝わる版画に差し込まれたカラーが印象的。春が待ち遠しい今の時期にぴったりの絵本。2022/02/06
keroppi
77
きたきつねが、雪の森で見た幻想的な風景。静けさの中にも躍動感あふれる世界。子供の思い出を乗り越えて、未来に進んでいく。ボローニァ国際児童図書展グラフィック賞受賞、'87ニューヨークタイムス選世界の絵本ベストテン。開くページがそれぞれ美しく、変化に富んだ魅力的な絵本だ。2021/12/15
はる
57
テレビの日曜美術館を観て、手島さんの描く世界観にとても魅了されました。版画で描かれる動物の表情も、森の木々も圧倒的。雪の積もった静かな夜の森の雰囲気が素晴らしい。幻想的な展開から、きつねは死んじゃうのかなあ…と思ったら……ラストの文章にほっこりです。2021/11/01