目次
刺し子・仕事着の原点
図版構成(津軽・南部;庄内;佐渡;会津;東京;志摩;阿波;瀬戸内;博多;刺し子の原点)
津軽こぎんと南部菱刺し
聞き書き再録
手仕事の快楽
木綿以前の衣文化
現代の暮らしと刺し子
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
24
書庫整理中。INAXギャラリーの展示より。去年の冬はスコットランドの伝統編み物にはまったが、もともと北国の手仕事が好きなんだな、と再確認。あとこのシンプルで力強いデザインがたまらない。2020/05/14
風地
9
副題にあるよう、働き着として、布の補強として行われていたことを知った。また、農民たちが大変な思いをして麻から育て、こぎんを作っていたことに胸をうたれた。こぎんの写真をすべてをカラーにできなかったのは仕方ないとは思うものの、わかりづらく残念。また、段組が凝りすぎていて読みづらかったのがなんとも…。実際にこぎんを刺していた方たちから聞き取った言葉が心に沁みました。一枚のこぎんを作る中で、刺すだけの手間は全体の十分の一にも達しないとのこと。刺し子でもなんでも、その文化の背景を知るということは大切だと思った。2022/10/08
ふう
4
もう四十年以上前に母に買ってもらったこぎんの本はアマゾンでも見当たらない。現代にも応用できるモダンな技法、として伝統が今に息づいていることの紹介が新鮮だったその本に対し、これは実際に、綿の北限を越えた青森で、補強と防寒のために縫われたもの、木綿の古手ものを継ぎ接ぎして仕立てたもの、あるいは海女たちの労働着として、無駄のない美しさが伝えられてきて素晴らしい。お互いに交流があったわけでもあるまいに、働き着の美しさに共通するものを感じる。抜いての方々の聞き書きがじんわりくる。 2015/07/12
frigo
0
こぎんと日本各地の刺し子。布も自給自足だった時代の大変さを読めば、汚れても破れても大切に着続けるのはごくごく自然な営み。藍で染めた布に白い糸で刺し、汚れたら染め、さらに汚れれば染めなおし、藍は布を強くした。布を得るまでの過酷な作業と、最後に思い思いの模様を刺すことの愉しみ。よほど豊かな生。2022/02/25