感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壹玖
3
著者の伊豆での仏像修復における様々な出来事がつづられた一冊。内容全体を通して感じたのは、単に文化財を修復することが大切なのではなく、こと仏像というものは文化財の域を軽々と超えた、人々の心の中に存在し続ける形にも言葉にもできないものを具現化したようなものなので、関わる人々の想いや時間を蔑にすることなく行われなくてはならない、謂わば『拝む人々の想いを修復する』仕事なのだと感じた。今彫ったほとけがいかに精巧にできていようと何百年と拝まれ続けたほとけと同じにならないのはそういう理由なのだ。それを修復する人のお話。2018/05/24
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