出版社内容情報
受け継がれゆく、着物に秘められた人生の謎を紐解くミステリー!
内容説明
小雪の舞う札幌。ブラック企業勤めでボロボロのOL・あまねを救ったのは、超イケメンの和装男子―八束千秋だった。呉服屋の店主だが、口は悪いし、自惚れ屋。着物への愛情なら誰にも負けないがゆえに、そこに秘められた、持ち主の想いや謎に迫る!今回の事件は、不可解な連続放火事件!?黙っていればカッコいい、着物探偵の名推理をご堪能あれ!恋に胸がきゅんとして、最後には元気も出るお仕事ミステリー!
著者等紹介
佐々木禎子[ササキテイコ]
北海道札幌市出身。1992年、雑誌『JUNE』にてデビュー。女性向けジャンルで活躍した後、『鬼石』『くくり石』(ハルキ・ホラー文庫)で一般小説デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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hirune
46
【Kindle】いい感じのミステリーでした。ブラック企業で働いててボロボロな女の子が迷い込んだ呉服屋さんで拾われ 人間として再生されつつ、ご近所の放火事件にお店ごと関わっていく。態度は鬼畜なのに実は優しい店主の千秋(♂)とおっとり優しげなのに 誰より厳しくて怖〜いしずさん。いいコンビでした。本気で生きる大人はかっこいいね。そして着物を粋に着こなせるって素敵だなぁ(╹◡╹)♡2019/07/25
よっち
24
ブラック企業勤めでボロボロのOL・あまねが超イケメンの呉服屋の店主・八束千秋に救われて住み込みで働くようになり、千秋とともに着物に秘められた持ち主の想いや謎に迫る物語。いかにもブラック企業あるあるな状況で正常な判断を失いつつあったあまね。そんなあまねを見かけて、毒舌ながらもついつい面倒を見てしまう千秋。美しい着物を偏愛する千秋がついつい関わってしまう着物にまつわる事件。奔走するうちにあまねがそのうち自分らしさを取り戻し、いいように振り回されていた過去にきちんとけじめを付ける顛末はなかなか良かったですね。 2016/05/30
周到&執拗
24
着物の探偵、in北海道。何だコレ、と衝動買い。するする読めて結構楽しめた。一見素直な成長物語なのだけれど、実際は会社から逃げた時点であまねの腹はすわってたように思う(だからこそ、やんちゃな不良とかじゃなく、すべてを糊づけしてゆく男千秋に惹かれたんだろう)。その自覚をつかむまでのドラマだったのかなと。ミステリ的には、大きなネタこそないものの、着物がちゃんと謎解きに絡んでいてナイス。着物探偵の題名に偽りなし。さて次作では千秋の過去が語られるのか? それとも洋服探偵の登場か?w2016/03/07
あゆみ
21
★★★★☆ 着物バカで口が悪く自惚れ屋な千秋と、ゆったりした口調でさらっときついことを言うしずの2人のキャラがいい。特にしずが、罵倒や叱りつけるではなく棘のある言葉であまねを諭すところが印象的。ブラック企業であろうとなかろうと、勤務中にバックレてそのまま放置は社会人として無責任。実際にいるけど。最後あまねはブラック企業を訴える材料を確保して退職したが、どうせならそのブラック企業や上司が破滅するところまで書いてほしい。2016/03/07
よっしー
19
着物探偵…なのかな?でも、事件の鍵は着物が握ってるから、それでいいのかな?あり得ないぐらいのブラック企業で働いていたあまねを救った千秋。口は悪いけれど、言ってることは正しいのが複雑です。とはいけ、優しい面が無いわけでもないので、どこか憎めない人です。そんな人が慕うシズさんとは何者なのか、気になりましたが、不思議な人のまま終わってしまいました。サクッと読めて、前向きな気持ちになれました。2021/08/20