出版社内容情報
車上生活、母親の自殺、10代でホームレス…300万人を越す声なき子どもたちを取り巻く貧困の実態を丹念に取材。
内容説明
子どもの6人に1人が貧困状態。それは「女性の貧困」問題でもあった。NHK報道番組の書籍化シリーズ第2弾!
目次
序章 子どもの貧困を象徴する事件
第1章 川崎・中1男子殺害事件
第2章 急増する貧困と闘う現場
第3章 不登校の克服
第4章 親からの虐待防止
第5章 自立への壁を乗り越える
第6章 母子家庭へのワンストップ支援
著者等紹介
新井直之[アライナオユキ]
NHK報道番組ディレクター。1982年、埼玉県生まれ。2005年、NHK入局。仙台放送局を経て、2010年から「おはよう日本」でニュース企画や東日本大震災関連の特集を担当。2012年から「特報首都圏」でドキュメンタリーを始めとする報道番組を企画制作。2014年から報道局社会番組部で「NHKスペシャル」「クローズアップ現代」を担当。2015年7月から大阪放送局報道部で子どもの貧困問題などを取材(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
62
NHK番組の書籍化第2弾。1章では川崎の13歳上村遼太くん事件について。2~5章は都内北区で活動する原さんを通してみる子供たち。6章では札幌の社会福祉法人「麦の子会」について。…あとがきに『「私は」の代わりに「みんなは」「世間は」「国は」と大きな主語で語られる時、責任の所在が曖昧になっていく』とあります。そのとおりだと思いながら、では「私」に何ができるか、何をするか、と考えると、自分の家族を守ることだけで精一杯な気がします。他人(悪い言い方だけど)まで手を差し伸べるゆとり、余裕がない自分を感じます。2015/10/14
も
50
こどもの貧困問題に焦点をあてたNHKのドキュメント書籍第2弾。こちらも良著でした。かなりの頁を割いて紹介されている東京北区で子どもたちのために奔走している原さん。彼は地域の子どもたちの顔や名前だけでなく、家庭環境や抱えている悩みを全て把握して対応するなど実に素晴らしい方でした。子どもだけに目を向けるのではなく、親と学校と常に連携を図り、本人の意向を尊重しながら問題を解決しています。原さんが素晴らしすぎて、別の地域で同じ取組をするとなるとかなり難しそうです。2015/09/21
ヒデミン@もも
47
川崎の上村遼太君の事件は虐めの事件として、その残虐さが記憶に残っている。母子家庭で兄弟が多い家庭だったと知ってはいたが、その生い立ちは悲しい。遺された家族が幸せになって欲しい。お母さんも。2016/06/01
cryptoryou
37
格差社会の中、個人の権利やプライバシーが高々に叫ばれる現代は、ますます生き辛い社会となっているような気がします、前作と比べ今回は子供達と真摯に向き合い様々な取り組みを行っている、原和夫さん、北川聡子さん、にスポットをあてて、子供達の貧困の現状が綴られている。改めて社会全体で、子供達を守る仕組み作りの必要性と、各々が出来ることを考えてゆく事の大切さを痛感しました。2015/12/24
のんすけ
26
子どもの貧困問題をこのところよく耳にして、本も関係した本が多く出ている。子どもの貧困問題をその親にまで広げ、現在行われている先進的な取り組みを紹介している。子どもを救うにはその親を、個人で地域で会社で守る体制が必要。他人事ではないこの問題。私には何ができるのか考えてみたい。図書館本。2015/12/11