内容説明
二〇一四年一月、子どもの貧困対策法施行!大反響を呼んだNHK「特報首都圏」単行本化!車上生活、母親の自殺、10代でホームレス…300万人を越す声なき子どもたちを取り巻く貧困の実態に迫る。
目次
第1章 「子どもの貧困」対策の最前線―NPOによる生活保護世帯向け学習支援
第2章 奪われる日常生活―車上生活を強いられた中学生
第3章 いつまでも自立できない―母親を失ってひきこもった19歳
第4章 貧困から抜け出せない―ホームレスだった25歳
第5章 学校現場の限界―教員へのアンケートから
第6章 始まった教育と福祉の連携―スクールソーシャルワーカーの取り組み
著者等紹介
新井直之[アライナオユキ]
NHK報道番組ディレクター。1982年、埼玉県生まれ。2005年、NHK入局。仙台放送局を経て、2010年から「おはよう日本」でニュース企画や震災関連の特集を担当。2012年から「特報首都圏」でドキュメンタリーを始めとする報道番組を企画制作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
積読亭くま吉(●´(エ)`●)
113
子どもの貧困を扱ったNHKの番組ディレクターによる、ルポ。車上生活を強いられた中学生、母親の自死後引きこもりになった女性、ホームレスだった若者。番組も見た記憶があり、改めてルポとして読んでみて、番組視聴時には浮かばなかった疑問が起きる。これは、本当に底辺なんだろうか。もっともっと下層で苦しむ子供たちが居るのではないか?本書の冒頭にあるニュースは私も衝撃だった、平成日本で3歳児が母親共々餓死。給食しか食事を取れない子どもが居る。娘の通う大学で模擬授業の発表をした時、注意を受けた生徒が居たらしい→2015/10/26
パフちゃん@かのん変更
77
日本の子どもの6人に1人が貧困。離婚しても養育費が満足に貰えない家庭が多い。親の金銭トラブルに巻き込まれたりギャンブル、虐待、ネグレクト、学校でのいじめ、ひきこもりなどとも関連が深い。中卒や、高校中退では就職が難しく貧困の連鎖が続く。通信制でもいいから高卒の資格を持っていた方がいい。NPOによる無料の塾やひきこもりの青少年の居場所づくり、スクールソーシャルワーカーなどの取り組みは評価できる。高校授業料が無料になっても教材費や修学旅行積立金など学校に払うお金は多く、貧困家庭には支払いが難しい。2014/06/14
s-kozy
72
NHK総合の特報首都圏「チャイルド・プア〜急増 苦しむ子どもたち〜」という番組を書籍化したもの。今や子どもの相対的貧困率は15.7%(2012年の数値では16.3%、年々悪化している)。親の経済的な厳しさによって不利な境遇に置かれた子どもが、大人になっても貧困から抜け出せないケースを「貧困の連鎖」もしくは「貧困の再生産」という。少子高齢社会に突入した21世紀の日本、このままでは活力ある未来が訪れない。まずは6人に1人の割合で子どもが貧困状態にあることを皆さんに認識してほしい。手にとって読んでいただきたい。2014/08/09
も
61
こどもの貧困について、NHKの番組を書籍化したもの。日本のこどもの貧困は6人に1人の割合で、今や先進国で最悪のレベル。著者が取材した事例は、学習支援や居場所を提供するNPOに出会うことができたわりとラッキーなケース。第5章で定時制高校の教員を対象としたアンケート回答が物語っているように、実態はもっとひどいケースがたくさん存在すると思う。こどもの貧困は見えずらいので、なかなか実感するのは難しいけれど、こういう事例がいま日本ではたくさん起こっていることを多くのひとが知るべき。2015/09/08
リョウ万代ホーム施主|貯金おじさん
48
親の貧困が子供にも受け継がれていく貧困の連鎖が問題になっています。親の虐待、借金、クビ、ギャンブル依存、発達障害、精神障害等、貧困への転落要因は私達とも無関係では有りません。本の少し歯車がずれただけで転落していく可能性が有るのです。子の貧困の解消の為に、NPO立ち上げて闘う人もいます。自分の子供には、貧困で可哀想な思いをさせない様に、頑張ろうと決意するのでした。2016/08/12