目次
1章 創作と実践(鮮烈な朱色;黒のフォルム ほか)
2章 木と漆(ウルシ;漆の特質 ほか)
3章 暮らしのなかの漆(ものを作る楽しさ;漆の魅力・食の器 ほか)
4章 悠久の漆(伝統的技術とクラフト;地場産業のブランド化 ほか)
著者等紹介
十時啓悦[トトキアキヨシ]
1950年大阪府生まれ。武蔵野美術大学教授。うつわ、家具、造形物まで木材をベースに漆による自由な表現を行う。武蔵野美術短期大学入学後、漆芸家野田行作に師事し、二年後造形学部に編入。1975年東京藝術大学大学院漆芸専攻修了。1979年東京・青梅市に制作工房を構え、2002年には作品の展示を行う青梅クラフト館を開設。おもな受賞歴に、日本クラフト展優秀賞(1977、1981)、第二六回日本伝統工芸新作展奨励賞(1986)、第一回兵庫県丹波の森ウッドクラフトコンペ大賞(1988)。第三六回日本伝統工芸展入選(一九八九)。現在、日本文化財漆協会参事、(公財)森林文化協会会員、中国、湖北美術学院特聘教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gami
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著者は漆工芸家であり、大学で教鞭も奮っている。まず器の写真ですが、「漆」と一言えど、非常に多様なかたちやテクスチャーのものがあり、驚かされました。特に表面だけでページを埋めた写真では、たとえば学校プールの床のざらざらのような質感もあれば、もっと複雑でフラクタル構造のように吸い込まれそうなものもあります。京都や金沢にあるような黒と朱の光沢あるものばかりでなく、むしろ絵の具のような遊び心を感じさせました。目が心地良い。さらに著者の木や漆に関する考えも、木と向き合ってきた人の言葉で、これも心地良い。2023/10/19
kaz
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漆器の良さが伝わってくる。ただし、金箔や銀箔がはりつけてあるものは落ち着いて使えないような気がする。図書館の内容紹介は『木地制作から加飾まで一貫した制作を続ける漆作家・十時啓悦が、代表的な作品を紹介。さらに、日々の器としての漆の魅力、優れた作品あるいは道具とともにある暮らし、作家としての試行錯誤と工夫などを語る』。2021/01/22