内容説明
シュルレアリスムに芸術の可能性を見た瀧口修造。美のうちにリズムの歴史的構造と反復を措定した中井正一。徹底的な他者として「日本の伝統」に対峙した岡本太郎。政治と芸術の二元論突破を模索し続けた針生一郎。一個の事物と化し、一瞬への自己消去を企てた中平卓馬。詩的言語と論理的言語の矛盾のなか、芸術の不可能性に賭けた五人の実践。
目次
1 瀧口修造と前衛写真(物質の夢;写真的触覚―瀧口修造と前衛写真1938‐40 ほか)
2 中井正一の史的構図(現実感覚とユートピア;対話的コミュニケーションの“場” ほか)
3 岡本太郎その歴史的位置(奇妙なイズムとしての対極主義;対極主義、アヴァンギャルド、縄文土器 ほか)
4 針生一郎の批評的原点(保田の美学と左翼民衆主義;戦後美術への視座 ほか)
5 写真家中平卓馬(アジェ―写真を見ることへの問い;シュルレアリスム―政治と芸術 ほか)
著者等紹介
高島直之[タカシマナオユキ]
1951年、仙台市生まれ。美術批評・近現代美術。現在、武蔵野美術大学造形学部芸術文化学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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