出版社内容情報
「差別と迫害の歴史」で括られることの多いロシアのユダヤ人。対立関係だけでは表せない、ロシア帝国やソ連における歴史を再考。
内容説明
「差別と迫害の歴史」で括られることの多いロシアのユダヤ人。対立関係だけでは言い表せない、ロシア帝国やソ連における歴史を再考。
目次
はじめに ロシアとユダヤ人
第1章 帝政ロシアのユダヤ人(ユダヤ人の社会と文化;ロシア内地のユダヤ人;ポグロムの衝撃 ほか)
第2章 ソ連のユダヤ人(ロシア革命とユダヤ人;ソ連のユダヤ人政策;ホロコーストと「暗黒の時代」 ほか)
第3章 ロシアユダヤ人の現在(ソ連崩壊とユダヤ人;イスラエルのロシア人;失ったアイデンティティを探して)
著者等紹介
高尾千津子[タカオチズコ]
東京医科歯科大学教養部教授(歴史学)。1980年早稲田大学卒業。1985~88年ヘブライ大学現代ユダヤ研究所客員研究員、1992年早稲田大学文学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学、早稲田大学、2005年)。早稲田大学助手(1992~94)、立教大学特任教授(2008~2013)を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yoneyama
11
イスラエル建国のシオニズム運動は、ロシア東部からウクライナ、ポーランドにいたユダヤ人の、19世紀以来の弾圧ポグロムから生まれたものだった。ナチによるお金持ちというイメージは作られたもので、大多数は貧農の身分だった。だがソ連時代1920年代にはウクライナ、キーウなどの知識人の30%がユダヤ人になり反ユダヤ運動に。アシュケナズ系ユダヤ人の、イディシュ語の起源はゲルマンかスラヴか?ドイツから追放されて東欧に逃れたのか?そしてビロビジャン計画の失敗。70年代にロシアからの出国問題。ユダヤとロシア、テーマとして重大2023/01/26
めっちー
0
ロシアにおけるユダヤ人の歴史を短いながらも書いた本で、ロシアにユダヤ人が流入したのはポーランド分割がきっかけだというから、意外と歴史は浅い。2019/04/10
晴天
0
ロシアにおけるユダヤ人は、ポグロムや根強い差別についてのイメージしかなかったが、「ユダヤ人とは何か」という問いについてのロシアにおける定義やイメージの変遷と他の国におけるそれらとの差異を描くのは、ロシアユダヤ人史の入門書として懇切丁寧だった。2021/06/27