内容説明
ブルガーコフの劇世界を知らずしてロシア演劇を語ることはできない。圧政下、奇想を凝らしSF仕掛けで時代に抵抗、暗部を抉ったブルガーコフの劇世界は現代をも透視する「黙示録」にほかならない。太陽ガス(化学兵器)による都市壊滅と全体主義国家の出現を描いた『アダムとイヴ』、23世紀の理想郷「至福」を舞台に展開するアンチ・ユートピア劇『至福』の二作品と詳細な訳者解題。村田真一「あとがきブルガーコフ―演劇の巨匠」を収録。
著者等紹介
ブルガーコフ,ミハイル[ブルガーコフ,ミハイル] [Булгаков,Михаил]
1891‐1940年。ウクライナ出身のロシア語作家。キエフ大学医学部卒業後、医師となるが、1920年代前半にモスクワに上京後、作家・劇作家として創作活動を行った。革命後のソヴィエト社会に対する風刺性ゆえに、作品発表の機会に恵まれず、生前は上演中止や上演禁止となった戯曲も多かった。死後再評価が進む中で、20世紀ロシア文学を代表する作家の一人に数えられるようになった
大森雅子[オオモリマサコ]
ロシア国立人文大学大学院修了(Ph.D)。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。東京大学非常勤講師、立教大学兼任講師。専門は20世紀ロシア文学・ロシア文化
佐藤貴之[サトウタカユキ]
上智大学外国語学部ロシア語学科卒業。東京外国語大学(修士号取得)を経て、ロシア国立人文大学で研究活動を行う。専門はソヴィエト文学史、日露文化交流史。現在、日本学術振興会研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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