目次
はじめに シビアアクシデントとは何か、なぜ問題にするのか
第1章 原子力前史―放射能の発見からマンハッタン計画まで
第2章 米国での軽水炉の開発―「安全」と偽られた欠陥原子炉
第3章 わが国の開発史―自主開発の放棄が軽水炉技術への全面信仰を生んだ
第4章 シビアアクシデント問題から見た福島事故
第5章 使用済み燃料、廃棄物の処分問題と原子力の将来
第6章 人はどれだけエネルギーが必要か
著者等紹介
舘野淳[タテノジュン]
1936年旧奉天市生まれ。1959年東京大学工学部応用化学科卒業。日本原子力研究所研究員を経て、1997年から中央大学商学部教授。2007年中央大学退職。現在核・エネルギー問題情報センター事務局長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ベンアル
12
2012年刊行。本屋で定価2200円のところをセールで500円で購入した。元原研で元大学教授の作者が日米の原子力の歴史、1F事故について語っている。最後の人間のエネルギー消費量の歴史は新しい発見だった。私たちのエネルギーの消費量も踏まえて持続可能な社会を目指していかなければならない。2024/01/09
coolflat
7
シビアアクシデントは、軽水炉開発の経済性・効率性の追求によって、軽水炉技術に宿命的に埋め込まれたものだと著者は言う。シビアアクシデントとは、原子炉に取り付けられた安全装置が有効に働いて収束することのできない深刻な事故のことだが、熱除去の失敗=シビアアクシデントの存在こそが軽水炉の死命を制するものであり、この欠陥が技術的に取り除かれない限り、軽水炉を使うべきでないと著者は考えている。更に言うと、軽水炉の安全技術自体、40年前と比べても本質的にほとんど進歩していない。軽水炉を使い続ける限り、必ず大事故は起こる2015/03/25
yo yoshimata
1
原発問題を考えるために必読。『廃炉時代が始まった』とともに手元においておきたい一冊です。2013/03/15