内容説明
中央アジアの多彩な食文化を旅するエッセイ。食に痕跡をとどめる諸民族の往還の歴史にも目を向ける。料理・食材の写真多数。
目次
第1章 クルグズスタン
第2章 ウズベキスタン
第3章 中央アジア世界の横顔
第4章 米と小麦が出会うところ
第5章 周辺諸国から影響を受ける中央アジア料理
第6章 イスラーム文化と中央アジア
第7章 バザール
第8章 料理の数々
著者等紹介
先崎将弘[センザキマサヒロ]
1970年、東京生まれ。帝京大学文学部国際文化学科ロシア文化コース卒業。東京都庁職員。ユーラシア研究所維持会員。中央アジア地域文化に関心を持つ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マリリン
35
食を知る事は,民族間の移動やそれにより生まれた文化の流れを知ることができる。中央アジアは、ロシア・中国・ペルシア・朝鮮・イスラーム文化の影響を受けたといわれる。プロフと言われる炊き込みご飯や、ナンがシルクロード(中国長安からイタリアのローマまで)に沿うように変化し伝えられた感が興味深い。油で具材を炊き上げたプロフと共にコケチャイ(緑茶)を飲むのも頷ける。牛肉より羊肉に軍配が上がる土地柄。乳製品は駱駝・羊・馬・牛・山羊とバラエティ豊か。クムズという馬乳酒はロシアの影響を感じる。 2023/02/17
yoneyama
10
中央アジアの旧ソ6カ国からウズベキスタン、キルギス(この本ではクルグズスタンと表記)を主に、食について語る63p。著者の専門は判然としないが、史的変遷も盛り込んで脱ソ連期のルポ。ペルシア系のタジキスタン(ソグド人は先住民)以外はテュルク族。フェルガナ盆地の農耕民と北部遊牧との起源あり。ソ連を通じて各国の間の料理は融合してきた。シシケバブは羊肉のイメージだが、高いので安い牛が人気とは。プロフ→ピラフ、中国の麺料理起源ラグマン、満腹でも食べる喰いシゴキのベシュバルマク、など。トルコインド中国の影響史。2023/01/06
ああああ
4
文明の十字路ということは、つまり美味しい食べ物の十字路ってことです。ざっくりとした歴史と合わせた食べ物の話。酒飲みの自分としては、プロフ(炊き込みご飯)に2千年以上前のペルシア時代からの歴史があるなら、イスラム以前から続くお酒の話ももっと知りたくなりました。2014/03/06
牛タン
3
内容:テュルク系遊牧民族、ロシア、ペルシア、中国などの影響下で形成された中央アジアの食文化。クルグズ、ウズベクが中心。感想:トルコ料理のある種の原型みたいなものだろうか。乳製品のカイマック、アイランなどはトルコでも見られる。逆にケバブはアラブやトルコからの伝来。中国伝来の饅頭も両者で見られる。ピラフやナンも似ているし、トマトが多く使われるのも共通してる。ひよこ豆のスープ(Nohut Yemegi)みたいなのもあるみたい。羊肉はご馳走で牛肉が普段の食事というのも同じ。拉麺由来のラグメンというのも食べてみたい2016/02/19
ひいろ
1
ウズベキスタン旅への機運を高めるために読了。本は驚くほど薄いし写真もあり、一般向けでさらっと知りたい時には読みやすいと思いますね。朝鮮との関係など、意外と知らないこともありました。中央アジアにキムチがあるのか。2019/07/22