人狩り熊 - 十和利山熊襲撃事件本州最大級の惨事はなぜ起きたのか

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人狩り熊 - 十和利山熊襲撃事件本州最大級の惨事はなぜ起きたのか

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  • サイズ B6判/ページ数 272p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784864473170
  • NDC分類 615.86
  • Cコード C2075

出版社内容情報

クマ追い歴46年の著者が、事件の真相を後世に残すべく己のすべてを懸けて実像に迫った渾身のドキュメント!2016年5?6月、秋田県鹿角市郊外でツキノワグマに襲われ4人が死亡・4人が負傷する本州未曾有の事件が起きた。襲われて絶命した犠牲者は体を食害されたことも判明し、その衝撃は日本列島を駆け抜け市民を震え上がらせた。
青森・秋田県境に近い北東北の辺境の森でいったい何が起きたのか? かつては秋田県庁職員、現在はフリー研究者であるクマの第一人者・米田一彦は事件の真相を解明すべく、現場に足を運んだ。危険な笹薮に入り、遺族や関係者の証言を集め、現地のタケノコ採りに話を聞き、現地の特異な農業形態を調べ…散らばったパズルのピースを1つずつ集めて見えてきたものは。
クマ追い歴46年の著者が、事件の真相を後世に残すべく己のすべてを懸けて実像に迫った渾身のドキュメント!

プロローグ
 
永遠の別れ 第1犠牲者夫妻の朝  9
 
  事件勃発/発生地の気象と地形/発生地の植生


   

第1章 時系列

第1犠牲者遺族の証言  16

    軽傷だった氏名不詳の60代女性  24

    第2犠牲者を目撃した男性の証言  25

    弟3犠牲者の遺族、関係者の証言  35

      第3犠牲者遺族の証言/同じ町内の住人の証言

    闘って生還した袴田孝夫さんの証言  48

    果たせなかった、尻を咬まれたMさんへの聴取  53
 
    150cmのクマが女性を追いかけていた  56

  第4犠牲者遺族の証言  57

    クマと2時間闘った4人への聴取  68

  果たせなかった、中傷を負ったTさんへの聴取  70
 
猟友会幹部の証言  73

    タケノコ買取り業者たちの証言  78

      T・Rさんの話/Yさんの話/T・Dさんの話/Kさんの話/
Yちゃんの買取り小屋は潰れない/加工業者Kさんの話

タケノコ採りたちの証言  95

      赤い軽トラY兄弟の話/Tさんの話/お坊さんの話/私もタケノコを採ってみた/
キノコ採りの話/タケノコ採り68人の分析

事件前に同地で起こった事故  112

      越冬中の母子グマに襲われてストックの両手突き/事件前年に熊取平で襲われた女性




第2章 私は、こう動いた

    入山抑止のための発信を続ける  118

      HPでの注意喚起/オンラインニュースでの入山抑止

現場周辺に生息するクマの特定のための撮影  128




第3章 殺人グマはどいつだ

    射殺されたメスグマ  141
  
    150cmグマ=80?グマ=84?グマ  150
  
    撮影された90?のクマは将来の憂慮  160

    撮影された推定70?のクマ  170

    撮影された母子4頭のクマは消耗状態で第2事故現場に現れた  172

    駆除された144?の巨大グマ  179

    大清水で男性に中傷を負わせた母子グマ  180 

    クマたちのその後 2017年の観察から  182

      90cmのクマ/3頭連れだった赤毛のメスグマ/気性の激しいメスグマ/
130cm、70kgほどのクマ/月の輪模様が3段に切れているクマ




第4章 事件は、なぜ発生したのか

    熊取平と田代平酪農開拓地の形成過程  192

    近年の耕作地の変遷  196

       酪農の困難、離農/近年、大豆、ソバの作付が始まる/芝生生産会社/
大規模養豚業者の従業員の話/繁栄するクワ、シウリザクラ

    制度の問題  204

      秋田県庁と鹿角市役所の関係/この事件に関わった組織/市民が国有林、民有林へ入ることの是非

     タケノコ採りの生態  233

行方不明者多発地帯  236

前年は堅果類が大豊作 暖冬  240
 
      ドングリ類が豊作で出産が進んだ/暖冬で早く越冬を終えて消耗/事件期間の気象
 
     約30 ha、約7万本のクリ園があった  254

     この事件が地域に与えた影響  256

      四角岳美化登山の自粛/行事自粛/第1回十和田湖マラソンの決行/
ツキノワグマの狩猟解禁、そして指定管理鳥獣化へ



結 論  260

   第1事故/第2事故/第3事故/第4事故/事件発生の原因/将来起りうる事態収束の手順 

   

    
エピローグ

犠牲者遺族の悲しみ、孫娘の旅立ち  265




あとがき  268


米田 一彦[マイタカズヒコ]
著・文・その他

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

姉勤

34
平成28年、秋田と青森の県境で起こった、ツキノワグマによる獣害事件。タケノコ狩りの入山者が多数襲われ次々に命を落とす。数日経った遺体の状態は著しく。警察と役所の対応によって被害は拡大した。著者はクマの生態に詳しい地元出身の研究者。事件の発生の地域的経緯、経済、地理的な特徴、クマの特性、そして構築すべき未来。一方的に駆除を目指すのではなく、かつ一切の駆除をなじる、無知かつ短絡的動物愛護者の非難は論外だが、結果的に人口減と地域経済の衰退を目論む中央官庁が障害となり、クマとの共生は非常に困難と思える。2023/06/06

まさ

27
平成28年に立て続けに起きたツキノワグマによる食害事件に当時とてつもなく衝撃を受けた。一過性のものではなく、熊の間で情報が共有されていっているのではないかと思うくらいに続いた。その事件について、著者独自の調査、幾多の取材、そしてレポートと当時の状況を緊張感をもって発信している。ただ、事件を具体的に想起させようとする一方で、収集した記録と著者の推察や感想・思いも入り混じり、なんとも読みにくい。「後世に伝えたい」思いからか、話題も広がり「クマと人の関係」の亀裂を指摘するに至るが、どうまとめればよいのやら。2021/05/28

あかぽち

13
平成28年に秋田で起きたツキノワグマによる獣害事件を追いかけたドキュメント。 私もついに熊を目撃したので、今後も熊と共生するために学ぼうと手に取りました。熊は確かに怖いけれど、一人目の犠牲者が出た時に行政がちゃんと動き、市民が入山しなければ二人目からの犠牲者は防げたのにな。熊が人の作物を食べ、人が熊の住む山奥の山菜を食べる、変な時代になってる現代らしい事件でした。2018/07/01

ようはん

7
2016年に4人の犠牲者を出した秋田県鹿角市の十和利山熊襲撃事件のドキュメント。 人を襲う熊という認識は同じ秋田県を舞台にした漫画「銀牙 流れ星銀」で初めて得たけど熊の脅威という点では全くのフィクションではないと感じさせる。第2の犠牲を出した子連れの熊は赤毛が特徴というのは赤カブトを想起した。2019/06/11

ふたば

7
人間のエゴがむき出しになった、何とも読後感の悪い内容だった。個人のささやかな楽しみのために、自分や、家族、親しい友人にとわずかに採集するというならいざ知らず、国有林に入り込み、山菜やタケノコをごっそり採集し、金に換える行為は正当なものだろうか。そういう営利目的の採集は、自身の持つ山で行っているものと思っていたから、衝撃だった。山を知るために、どんどん採集しようという意見には、賛同し難い。そんなことで何かわかることはないし、反対に、自然を軽視することにつながりかねないと思う。2018/08/27

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