内容説明
本書は、そうした見通しのもとに進められている日中共同研究プロジェクトの成果の一部を収めたものである。「1 遺跡・遺物の考古学的研究」「2 動植物遺体の研究」「3 遺跡・遺物の考古科学的研究」の3部構成となっているが、これは本プロジェクトの学際的研究スタイルを如実に示している。自然科学との連携によって考古学は新たな局面を迎えようとしている。従来の伝統的考古学ではけっして明らかにすることができなかった歴史像がいま浮かび上がりつつある。
目次
1 遺跡・遺物の考古学的研究(方形環濠の広がり;良渚遺跡群における煮沸器の組成と使用痕;浙江考古学よりみた新石器文化期の石器 ほか)
2 動・植物遺体の研究(中国江南における新石器時代の水田稲作―良渚遺跡群におけるボーリング探査、試掘調査とプラント・オパール分析;田螺山遺跡および鍾家港遺跡から得られた貝類の印象;浙江省新石器時代遺跡から出土した編組製品等の素材植物 ほか)
3 遺跡・遺物の考古科学的研究(新石器時代長江デルタ地域における稲作農耕民の頭蓋形態;長江下流域の新石器時代集団の四肢骨の形質的特徴;古代中国の墓に用いられた先秦時代の朱 ほか)