内容説明
日本列島各地の有力首長墓から出土する三角縁神獣鏡を実証的かつ多角的に分析することをとおして、古墳時代開始期の社会構造に迫る。また、当該期において三角縁神獣鏡をはじめとした銅鏡が有した社会的意義を論じる。とくに、相対編年の確立と製作諸段階の暦年代をふまえた製作動向、地域社会における受容状況と時期的な変化、副葬配置にみる特色を明らかにするとともに、「伝世・長期保有」例の定量的な分析をふまえて三角縁神獣鏡の分配論・保有論の再構築を試みる。そのうえで、三角縁神獣鏡が古墳時代社会において有した歴史的意義にたいして新たな解釈を提示する。
目次
序章 三角縁神獣鏡研究の目的と課題
第1章 三角縁神獣鏡の生産とその展開
第2章 三角縁神獣鏡の製作年代と製作背景
第3章 三角縁神獣鏡と前期古墳年代論
第4章 三角縁神獣鏡と地域社会
第5章 三角縁神獣鏡の社会的意義
終章 三角縁神獣鏡と古墳時代の社会
著者等紹介
岩本崇[イワモトタカシ]
1975年奈良県橿原市生まれ。1997年早稲田大学第一文学部卒業。2000年京都大学大学院文学研究科修士課程修了。2003年京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。大手前大学史学研究所研究員、日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、2009年より島根大学法文学部准教授。博士(文学):京都大学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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