感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あや
10
20代半ばから30代初めにかけて糸田ともよさんと同じ結社に所属していたことがある。北海道にお住まいだった。なのでもちろん面識はないが結社誌上で拝読する糸田さんの御歌はとてもかなわないと思うような個性と詩情があった。思いがけず八重洲ブックセンターの詩歌コーナーで平積みになっていた糸田さんの歌集と出会い私は迷わず購入した。糸田さんの歌集を平積みにする八重洲ブックセンターの店員さんのセンスも流石である。2021/10/21
あや
1
冬を詠んだ歌にとても心惹かれます。2018/12/08
春永睦月
1
言葉を越え、視覚を越え、触覚を越え、その向こう側に拓けるもの。言葉の響きが持つ「美」に身を委ね、作者が奏でる「音」に耳を澄ませたい一冊。
田中 綾
1
やわらかくほたるをつつんではひらくうすじろいてにようみゃくはしる / 糸田ともよ / すべてひらがな書きのこの歌を、作者は、漢字も混ぜて〈やわらかく螢を包んでは開く薄白い掌に葉脈走る〉とも表記している。「ほたる」や「ようみゃく」は、ひらがなだとよりやわらかさが強調され、味わい深い。ホタルを包む手の静脈を、「葉脈」と言い換えても違和感がないほど、自然との交感ができる作者。深遠な歌でもある。(2018年7月21日掲載) 2018/07/21