内容説明
頬にあざのある亜里沙は、松川事件で最後まで頑なに有罪説を主張したS坂益夫の孫娘。父の法雄は亜里沙に愛情を注ぐ一方、公害裁判企業側弁護士として忙殺されながら、二重生活を送っていた。法雄の愛人・中川早雪の父は、親友のため松川支援活動に身を投じ早くに病死していた。早雪は法雄の不義と不正を亜里沙に伝え、家庭を崩壊させ、復讐を果たそうとする。亜里沙と早雪の愛憎の行末は…。その他に第71回小説現代新人賞、ベトナムからボートで逃れてきた姉妹の過酷な運命を描く「月のない晩に」も収録。
著者等紹介
橘かがり[タチバナカガリ]
東京生まれ。早稲田大学第一文学部西洋史学科卒業。2003年「月のない晩に」で『小説現代』新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。