感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジョナ
9
逃避を許さない現実直視としての読書体験だった。この恐ろしい筋書きが、全くフィクションではないのだ。信じられないことに。読みながら、息苦しくなったので、体調を整えながら、少しずつ読む他なかった。それでも、自分を勇気付けたのは、ひとつの確信「作者も苦しみながら、それでも〈悪〉と闘うために書いているのだろう」。だから一緒に苦悶して、傷ついて、なお立ち上がって、真っ黒な霧に立ち向かっているような連帯感があった。物語は幕を閉じない。物語は私たち(あなたたち)に引き継がれた。さあ、私たちの番だ。2015/08/24