内容説明
本書は戦後の宮澤賢治研究を切り拓いた吉見正信の原点になった賢治論。賢治の足跡を辿り、足で書き上げた論考は、全国の研究者を震撼させた。岩手の雑誌に書かれた幻の論考を加筆訂正し著作集第一巻に収録した。追補の“「三・一一」と『イーハトーヴォ海岸”』では賢治の今日性を語る。
目次
1章 花巻・盛岡(修羅のふるさと―花巻;修羅青春の地マリオ―盛岡)
2章 七つ森・岩手山・種山ケ原(「風景やみんなと」―七つ森・その周辺;イーハトヴ火山圏―岩手山・その周辺;輪廻マクロ世界からの種山ケ原;イーハトヴ圏の眺望―種山とその周辺)
3章 葛丸川・江刺・早池峰山(火山童話の始源地―葛丸川流域;地質調査行からの小説舞台―江刺;神座す農民の山―早池峰山;北方守護神と民俗の詩境―成島毘沙門堂)
4章 兄妹精神風土圏(兄妹精神風土圏―桑っこ大学;兄妹二人の詩境)
5章 「銀河鉄道の夜」(挽歌詩の世界―イーハトヴからオホーツクへ;「銀河鉄道の夜」…コンポジション)
著者等紹介
吉見正信[ヨシミマサノブ]
1928年生まれ。東京での雑誌記者生活から転じ、昭和26年から岩手県下の各高等学校に教諭として勤務。のち岩手大学教養学部、人文社会科学部、富士大学非常勤講師を経て研究著作に専念。宮沢賢治学会イーハトーブセンター設立発起人、宮沢賢治賞・イーハトーブ賞選考委員長を歴任。現在東方学会永年会員ほかテレビ、ラジオでも活躍中。いわて教育文化研究所顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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