内容説明
憲法改正の議論の中で憲法9条の発案者は誰か。本書では、歴史家の立場で憲法史に加えて外交史や国際政治の側面から実証的検証を行い、憲法9条の発案者は当時の首相である幣原喜重郎であることを論じる。
目次
序章 憲法九条の発案者に関するマッカーサー説と幣原説、意気投合説
第1章 「マッカーサーの三原則」のミステリー
第2章 マッカーサーがGHQ草案の採用を日本政府に求めた理由
第3章 マッカーサーと幣原喜重郎の芝居
第4章 憲法九条のフィリピン憲法起点説は議論上の「都市伝説」だった
第5章 マッカーサーの「三原則(希望事項)」の2の「戦争の放棄」は幣原の発案だった
第6章 一九四六(昭和二一)年一月二四日近現代日本史の分水嶺
第7章 幣原の外交理念と外交スタイル
第8章 天皇の退位報道とGHQの態度硬化
第9章 国際政治理論による憲法九条発案者の検証
第10章 原子爆弾と憲法九条の発案
附録 幣原喜重郎『外交五十年』(読売新聞社版)より
著者等紹介
大越哲仁[オオコシテツジ]
歴史家(近現代国際史)。1961年福島県生まれ。同志社大学法学部卒業、放送大学大学院文化科学研究科修士課程修了。公益財団法人蘇峰会理事。一般社団法人日本ペンクラブ会員。蘇峰蘆花論文賞・新島研究論文賞・新島研究功績賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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