出版社内容情報
戦争を逃れ、家族と離れて平和な国へひとり旅立つシッカ。むかえる家族にはマルガレータという同じ年頃の女の子がいて、ふたりは反発しあいながら理解を深めていく……。戦争が引き起こす難民問題を伝えるスウェーデンの絵本。
内容説明
戦争がはじまり、家族とはなれて平和な国へひとり旅立つシッカ。むかえる平和な国の家族には、マルガレータという同じ年ごろの女の子がいました。ふたりは、反発し合いますが…。スウェーデンの代表的な児童文学作家ウルフ・スタルクが、子どもたちの集団疎開を、ふたりの少女の視点からていねいに描いた絵本。
著者等紹介
スタルク,ウルフ[スタルク,ウルフ] [Stark,Ulf]
スウェーデン、ストックホルム生まれ。現代スウェーデン児童文学を代表する作家。リンドグレーン賞などさまざまな賞を受賞している
ヴィルセン,スティーナ[ヴィルセン,スティーナ] [Wirs´en,Stina]
新聞や雑誌、切手などさまざまな媒体でイラストを描いており、絵本作家としても活躍。エルサ・ベスコフ賞など多数の賞を受賞している
きただいえりこ[キタダイエリコ]
埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、スウェーデンに留学。児童文学を学ぶ。小中学校の図書館で働きながら、児童書を翻訳している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
72
絵本。戦争関連本。海の東がわに住むシッカと、西がわに住むマルガレータの出会い。東で戦争が起こりシッカは家族と離れ離れになる。犬が飼いたいマルガレータは“ビックリさん”が来ると聞いて念願の犬が家族になると期待していたのに、避難してきたシッカを見てガッカリする。言葉も通じず反目するふたりだったけれど、ある雷雨の日、お互いに話をし始める▽遠目には可愛い女の子ふたりの絵本かと思ったら意外とシビアな目つきしてる。仲良しこよしの雰囲気ではない戦闘機飛んでるし。早く戦争が終わりますように。2023年刊2023/08/20
とよぽん
52
読友さんの感想を読んで。疎開する子どもと、受け入れてくれる國の家族、子ども。時代設定は明確ではないが、子どもらしい気持ちの変化、戸惑いや寛恕、不安、喜びなどが巧みに表現されている文と絵だ。夏休みの学童で、4年生に紹介してみたい。2023/08/09
遠い日
13
戦時下の子どもたちの集団疎開。それによる、ことばも通じない国で、見知らぬ家族の中で過ごす肩身の狭さと孤独。娘のマルガレータの友だちにと迎えたシッカだったが、ふたりの折り合いは始めから悪い。何かとぶつかり、自分のエゴを優先しいがみ合う。お互いに譲れないアイデンティティであったろう。知らぬ間に築いていたふたりだけの空気感が共有できた時、シッカとマルガレータは「きょうだい」になることができた。帰国したマルガレータと見送ったシッカの胸中にある温かなもの。余韻が胸に迫ります。2023/07/01
ヒラP@ehon.gohon
9
【再読】大人のための絵本2023/07/14
shoko.m
8
イラストの雰囲気からかわいらしいお話を想像していたのだけれど、よく見ると文はウルフ・スタルク。というわけで、しっかり丁寧にシッカとマルガレータというふたりの少女の物語が描かれている。戦争がはじまると、シッカは平和な国へ送られ、シッカと同じ年代のマルガレータの家で暮らすことになった。はじめは反発しあうふたりだったが……。スウェーデンへの学童疎開がテーマだけれど、今の世界とどうしても重なる。罪のない子どもたちが巻き込まれる戦争がこの世から一日も早くなくなってほしい。2023/07/07
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