出版社内容情報
文 宮沢賢治[ブン ミヤザワケンジ]
画 佐藤国男[ガ サトウクニオ]
著者等紹介
宮沢賢治[ミヤザワケンジ]
1896年(明治29年)岩手県花巻生まれ。詩人、童話作家。花巻農学校の教師をするかたわら、1924年(大正13年)詩集『春と修羅』、童話集『注文の多い料理店』を出版する。ほかに「どんぐりと山猫」、「オツベルと象」、「グスコーブドリの伝記」、「風の又三郎」、「銀河鉄道の夜」など、たくさんの童話を書いた
佐藤国男[サトウクニオ]
1952年北海道せたな町生まれ。版画家。北桧山高校卒業後、東洋大学仏教学科で学ぶ。大工をしながら、宮沢賢治を題材とした版画を彫り続けてきたが、1997年大工を廃業し版画家として独立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒラP@ehon.gohon
25
「よだかの星」は、宮沢賢治のの作品の中でも好きな作品です。 鳥たちからばかにされ、それを悲しみながら、懸命に空を飛ぶ姿が、雄々しくも感じられます。 姿美しいカワセミや、愛らしいハチドリと親戚だというところも、気にかかりました。 でも、よだかはその鳥たちからすると、劣等感を持って仕方がないような奇異な姿をしています。 それを個性的とも言うのでしょうが、実際によだかを見たことがないだけに、想像の中でイメージを膨らませていました。 2022/03/27
テツ
25
宮沢賢治関係の絵本を集めているので購入。版画で描かれるよだかの生。弱肉強食の世界で生きることの辛さ。食われることの悲しみ、そして惨めな自分の生すらも他者を糧にしなければ続けることが出来ないと気づいたときの絶望。よだかは悲しみと絶望を振り切るように空の果てを目指し飛んでいく。そして暗く冷たい空の彼方、宇宙に達したよだかは穢土のしがらみの全てから解き放たれて美しく燃える星になる。幼い頃に初めて読んだときから物語の全てが心に刺さっている。そしていつか自分も全てから解き放たれて星になれる日を待ち焦がれている。2017/08/03
あおい
9
よだかが夜空に向かって一生懸命に羽ばたくスピード感が版画絵でうまく表現されている。2020/07/28
マカロニ マカロン
5
個人の感想です:B+。「鷹」の名がついているがカワセミやハチドリの兄弟分で、味噌をつけたようにまだらな顔で嘴も耳まで裂け蛙のようだと小鳥にバカにされるよだか。江戸時代に夜に辻立ちする売春婦を「夜鷹」と蔑んだ意味も含まれているのだろう。太陽にも夜空の星にも受け入れられず、ついに自分の身体が燃え尽すまで飛び続ける。生きて成仏を目指す日蓮宗的な思想が含まれているのだろうか?賢治の著作の普及に努めた弟清六氏の勧めで版画絵本を製作した佐藤国男さんの力作。よだかの悲しみと昇華が見事な版画に描かれている。2020/08/08
Eri
4
娘小3図書館。 よだかの星は、いつ読んでも泣けてしまう。 版画がとても良くて、ひばりがそっぽを向いているところ、鷹の立派な様子、兄弟のかわせみの可愛らしさ、よだかの困ったような切なくなる顔、空へと飛んでいく時の疾走感、どれも素晴らしかったです。2021/05/26
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