出版社内容情報
加地 伸行[カジ ノブユキ]
著・文・その他
内容説明
俗流政治家・コメンテーターを徹底批判、新聞・テレビの無責任、無知、無節操を見抜く―古典の智恵正論辛口エッセイ!
目次
序章 薄っぺらな国家批判―浜矩子の言説を例に
第1章 教育
第2章 貧困・格差と社会保障と
第3章 マスコミ
第4章 憲法
第5章 戦争
第6章 政治家
第7章 宗教と儀礼と
終章 老生の立場について
著者等紹介
加地伸行[カジノブユキ]
昭和11(1936)年、大阪市生まれ。昭和35年、京都大学文学部卒業。中国哲学専攻。大阪大学名誉教授。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HANA
60
うーん、老人の放言を集めたもので、それ以上でもそれ以下でも無かったかな。中国哲学専門だけあり、普段使っている言葉の様々な意味を教えられただけが収穫か。マスコミやその御用学者が上っ面だけいい言葉を垂れ流しているのはもはや当たり前の事実として共有されているのだから、そこから一歩進んで彼らの軽薄さや中身の無さを分析して欲しかった。それが無い以上やはりテレビを見て漫然と書いた随筆でしか無いように感じたなあ。途中の提言も実現不可能なものが多いように感じたし。末尾に付け加えられる中国古典は嫌味が効いてて面白かったが。2018/09/23
Kentaro
40
わが国の学校教育において、軽視されている教育の筆頭が道徳教育だ。教育のほとんどは、いわゆる国数社理英の学力向上に力点が置かれ、それに終始している。けれども、いくら学力が上がったとしても、道徳心なしでは人間として成長しない。たとい学力が十分でなかったとしても、優しさや思いやりのある人間を作ってゆくことこそ教育であることを、学校は忘れてしまっている。孔子に対して、弟子の子貢が質問をした。生涯において、絶えず行うべきものを一字で表せましょうかと。孔子は答えた。「それ恕(思いやり)か」と。2021/07/07
yamatoshiuruhashi
40
中国哲学者による随筆。テレビ、雑誌、新聞などに表された世にいう「知識人」の矛盾を的確に指摘する一冊。現実の理解をせずその時だけの「もっともらしい意見」を言う人々を的確に(と私は思う)評する。対象は本質的に矛盾が多い左寄りの人が多いが、保守派或いは右であっても容赦はない。その根底にあるのは哲学者として徹底した考察の末に辿り着いたぶれない「芯」であろう。非常に読みやすくわかりやすい。一題に3ページの随筆に古典の一節というスタイルも読みやすい。終章における宗教の理解こそ哲人の偉業ではないだろうか。2018/09/19
かず
27
新左翼に代表される偽善者達に対する只の悪口です。そんな本ですが、漢学の大家である筆者が自らを「小人」と称していることは、自らを全き善であるかのように高みに置いて、政府等を批判し続ける彼らに比べて余程信頼できます。「汎く衆を愛して人に親しみ行いて余力あれば即ち以て文を学べ」(論語)、「自分が全て正しく、悪は全て相手側」、「無責任」、「国と国民を対立させて捉える」「甘え体質」「礼を学ばざれば以て立つこと無し」(論語)、「根浅ければ即ち末短し」に付箋を貼った。また、沖縄問題の捉え方に誠実さを感じた。2020/08/16
gtn
24
左寄りの人の偽善、欺瞞、建前を著者が一つ一つ暴き、切り捨てる。例えば、従軍慰安婦問題より従軍記者の方が罪が重いというが同感。朝日の「百人斬り競争」というヨタ記事により、戦後、ネタにされた当事者が戦犯として死刑に。デマを書き散らした記者は何のお咎めもなし。その朝日、今は安倍が戦争をしたがっていると扇動する。笑止。左派たちも今となっては素地がばれ、下降の一途をたどっているが、著者の更なる追撃を望む。2019/06/02