内容説明
ものづくりに携わる人の「転ばぬ先の杖」になりますように…2016年、ネットを騒然とさせた“無償で1600枚の読者全員プレゼント色紙作成事件”。データ紛失、約束反故、ありえないネタバレ、ネットでの中傷…新人作家を襲った信じられない出来事の顛末一部始終を赤裸々に描きます。
目次
第1章 漫画家、なれるかも
第2章 僕は別にいいんですけどね?
第3章 色紙1万枚描けって言ったら怒ります?
第4章 漫画家辞めたいかも
第5章 大切な作品だから、ちゃんと自分で守るよ
第6章 絶対に無断転載じゃありません!!
第7章 なんだ…佐倉さん大丈夫そうですね
第8章 事が大きくなっても困るので…ツイッターに上げるのはちょっと…
著者等紹介
佐倉色[サクラシキ]
会社員、起業家、フリーター、ニートを経て2015年に『桜色フレンズ(角川書店)』で漫画家デビュー。「色紙1600枚事件」が発端となり一時的に商業撤退を決意するが、再起を図る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
198
とんでもないヘッポコ編集者と仕事をすることになった新人漫画家が心を削られ、出版社不振に陥りながらもなんとかかんとか乗り越えて書き上げたエッセー……というよりもルポマンガ。あくまで著者というフィルターを通した姿しか見えないからあまり決め付けるようなことはいえないが、結果的に著者を追い詰めることになる編集者のようなクズい仕事をする人間も世の中にはいるんだなあと呆れるばかり。著者の境遇もあまり普通ではないけれど、フリーランスのマンガ家がどういう風に真理的に弱っていくのかという家庭が丁寧に描かれている良書。2019/02/05
しのぶ
68
ネットで知って読んでみたかった作品。本当にどんな担当さんに当たるかは運だと思う。カクヨムの件も噂で聞いて読みに行ったし、途中で角〇系レーベルの編集担当との連絡が取れなくなった友人作家の話も直で聞いているので、まあ角〇さんの体質なのだろう。そう言えば「大手は名前だけで人材は寄って来ますので」と口にした担当さんが過去にいたかな。著者には、色々な出版社の色々な担当さんと交流して相性の良い担当さんとお仕事が出来るようにと願います。2018/01/01
あっか
66
読んでいるだけで鬱になりそうだった…新人漫画家の著者が、某社編集部より被った数々の暴虐を赤裸々に綴ったコミックエッセイです(ネットかどこかでこの騒動を見かけた気もする)。単にヒステリーを起こさず凄く凄く色々な可能性、色々な立場を考えている著者さんは偉いなあ凄いなあと素直に思いました。あとがきにもある通り、自分が陥った時に考えるヒントになりそうな社会的意義のある作品だと思う。著者のバックボーンも相当な闇が隠されていそうだけど…いつか田房永子さんのような生い立ちコミックエッセイも読んでみたい。2018/11/02
鈴
45
漫画だからと気楽な気持ちで読んだら、なかなか壮絶でショックを受けた。この担当編集者がクビにもならずに普通に働けていることもすごいけど、この人ひとりの問題ならともかく、上司や出版社も問題ありで。もっと早くにぶちギレる人が多いだろうに。2019/03/22
美葉
40
怒りの気持ちを押し込んで、無償で1600枚の色紙を描き上げた、漫画家さん。本当に尊敬します。表に出てないだけで、他にもブラックな企業はいっぱいあるんだろうなぁと思うと、悲しい。しかも、漫画家になる前も、かなり過酷な半生だったよう。これからは、良い人にたくさん出会って、幸せになってほしい。2019/03/16