出版社内容情報
緊急出版!! いまだから知りたい「イスラム国」の謎
●宗教批判に初心なイスラーム
●「イスラム国」~なりたちから凶暴性まで
●イスラーム過激派の殺しの論理
●なぜ弱小のイスラーム組織が強大なアメリカと戦えるのか
●イスラーム原理主義を撃退する方法
●イスラーム法とはいかなるものか
●イスラームはなぜ民主化を受け付けないのか /ほか
内容説明
アラブの原像、イスラーム原理主義の風景。
目次
1 イスラーム・テロリズムの原像(「私はシャルリー」―世俗主義の信仰告白;なぜフランスの世俗主義は宗教を目の敵にするのか;宗教批判に初心なイスラーム ほか)
2 イスラームの風景(「宗教」即「法律」の世界;神に見られるのを怖がる人々;一人の回々(中国人ムスリム)は回々ではない ほか)
3 中東イスラームの世界観(ベドウィン(砂漠の民)という生き方
もてなしと略奪と
ベドウィンはいきなり動く ほか)
著者等紹介
小瀧透[コタキトオル]
1948年京都生まれ。ノンフィクション作家。京都市立紫野高校卒業、金沢大学法文学部中退。サウジアラビア王立リヤード大学文学部アラビック・インスティチュート卒業。宗教・文化・歴史等幅広い分野で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ophiuchi
12
パリのテロ事件の前に書かれた本だが、フランスの世俗主義は宗教に等しいという指摘があり、それを読んでなぜフランスで起きたのかがよく分かった。イスラームの論理がいかに我々とかけ離れているかが、るる説明されていて、対立を解くことの困難さが並大抵ではないことに気が遠くなる思いだった。2016/02/23
Mitz
7
おどろおどろしい題名だが、内容は極めて冷静な比較文化論•比較宗教論である。以下、雑感。イスラム原理主義に限らず、異文化や異宗教については、口先でどんなに綺麗なお題目や綺麗事を並べたところで、真に理解することはできない。理解しようと思えば思うほど、苦しくなり、いつかそれを放棄してしまうだろう。人間が生来持つ異質嫌悪(ヘテロフォビア)は根深いものだからだ。しかし、理解できずとも知ることはできる。そして、自分が他者を異質と感じる時は、逆もまた然りということ。この2点を認識するだけで、世界の視え方は少し変わる。2015/03/07
C-biscuit
3
これは一番最初の書評か。 イスラム国の本は他も読んだが、先の日本人殺害のあとの本であり、その部分にも触れられている。イスラムのことは未だ漠然としか理解していないが、現在の日本人の感覚では永遠にわからないと感じる。海外の人が幕末など少し前の武士のことを理解しにくいのと同じで、何百年も続いている根深い文化への理解である。そのことを感じることのできた本である。歴史の話もうといが、今現在を切り取るとひどい組織であるが、十字軍の時代は、キリスト教徒がずいぶんなことをしていたようにも思う。因果応報でも済まされないが。2015/03/04
Erika
2
イスラム教の誕生や法、イスラム圏の国と他国との思想の違い等、濃い内容だった。国や思想が違うと常識がこんなにも変わるのかと驚愕した。中東問題に詳しくなくても読みやすい良書。2021/09/16
ぞだぐぁ
1
イスラム国についてイスラム教・ベドウィンの文化的背景を踏まえて説明した本。 最初にムハンマドの風刺画についての話を持ってきて、あの問題は表現の自由の話に留まる訳でなく、仏も世俗主義が宗教の様になっていてイスラムと対になるって話を持ってくることで読者の頬をぶっ叩いて価値観が普遍でないってわからせてから説明する構成が良かった。 これまでのイスラム教の武装組織とイスラム国との違いとして地縁に結びついてないから支配地域に残虐な事が出来てるし、女性と分けられて戦闘員として訓練されてきたから付き合い方が分からな(続く2022/01/07