内容説明
岐阜県の山里に“日本一のしいたけ屋”を目指し、昔ながらの原木栽培をつらぬく頑固なしいたけオヤジがいた。幼いころから生活のすべてが「しいたけ漬け」の子どもたちは、その反動で、大人になって皆別々の道を歩み始める。しかし突然、父が身体を壊し…。「ヤオジの夢をかなえるのは俺らしかいない!」故郷に舞い戻った兄弟たちはどん底からの経営再建を目指すのだが―。ひとパック5円の原木しいたけをブランド商品にまで押し上げた“しいたけブラザーズ”の心震わすノンフィクション。
目次
第1章 芽生え
第2章 しいたけの子
第3章 希望と挫折
第4章 一緒にいるだけで
第5章 お客様はどこに?
第6章 しいたけブラザーズ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
むつこ
28
知りませんでした、しいたけブラザーズ。以前、椎茸をテーマにした小説を読み、ジワジワと椎茸の存在が気になりだして興味がでてきた。そういわれてみればスーパーでは「菌床」ばかりが目に付いて、なかなか「原木」栽培は見ない。椎茸狩りがしたいな。2020/10/02
キビ
16
しいたけの原木栽培をする家族の話。まだまだ、ここに書ききれなかった多くの苦悩があっただろうし、喜びもあったんだろうと思う。仕事はそれぞれ大変なことがあるけど、やってて良かったと思う部分もたくさんあり…。表裏一体。信念を持ちながらも、謙虚に話を聞く心もないとな…と最近同僚と職場で話していた。これがナカナカ難しい。2018/09/08
Humbaba
6
本当に子どものことを想って行動していれば、それはしっかりと子どもに伝わる。例え金銭的には裕福でないとしても、それがそのまま不幸を決定づける要因とはならない。貧困そのものが不幸なのではなくて、貧困により心が縮こまり、何もできなくなってしまうことが不幸へとつながる。2015/08/12
じじょ
4
家族、兄弟の絆がすばらしい!なんて、素敵な家族なんだろう。彼らが育てた原木しいたけ、食べてみたいぞ!2017/01/14
Masaaki Inoue
2
椎茸のハウツー本と思いきや、実は「家族愛」と「子育て」のノンフィクション。農林業に興味が無い人でも十分満足できます。子供を山の仕事場に連れて行って、遊ばせたり手伝わせたり、一緒にリンゴを齧ったり。そして働く大人の背中を見せて・・まるでハイジの世界やんか!!昭和世代には「こういう生活したいー」って思う人、たくさん居ると思います。驚いたのは写真がとても少ない事。おかげでイメージが脳内にドンドン膨らみました。こういう構成も「有り」なんだなぁ!良著にありがとう♪2016/11/04