内容説明
ささやかな自然の兆しに目をこらすと、ふだんの生活のそばに、こまやかな折々の表情が見えてくる。そんなごくあたりまえの季節の話を拾い集めた。ベストセラー『日本の七十二候を楽しむ―旧暦のある暮らし』、『暮らしのならわし十二か月』の著者初のエッセイ本。
目次
春(立春・谷を渡る鳴き声―梅に鴬;立春・豆三粒包める布は捨てない―針供養 ほか)
夏(立夏・旅とフィルムカメラ―旅の日;小満・紙にインクで―ラブレターの日 ほか)
秋(立秋・七日過ぎたら夜は窓を閉める―涼風至る;お盆・ひまの効用―沖縄の旧盆 ほか)
冬(立冬・旬といえばおでん―鍋の日;小雪・日だまりの忘れ花―小春日和 ほか)
著者等紹介
白井明大[シライアケヒロ]
詩人。1970年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひめありす@灯れ松明の火
43
二十四節季は中国文化に由来するもの。だから日本ではちょっと意味がわからないものもあるけれど、七十二候は日本で作ったものだからこちらの気候に適応しているのですって。何となくは知っていたけれど、今回初めて通して知りました。今は穀雨。葭始めて生ず。だけど今年はちょっと雨が多すぎたのではないかしら。桃始めて笑うがやっぱり何といっても可愛い。だけど、桃の花と言った時にぱっとあれだ!ってちゃんと言えるかなと思うとちょっと微妙です。白川さんの沖縄の暮らしもなんだかとってもゆったりとしていてちょっぴり羨ましくなりました。2015/04/23
あかつき号
10
初著者。 暑さを乗りきるために読み始めたけれど、暑さの勝ち。それでも来るべき季節への楽しみが増えた。2015/08/01
椿
6
初めての作家さん。詩人なんだね〜。天気予報くらいでしか聞かない単語ばかりだけど。たった5日で変わっていく季節だと思うと、毎日が大切に感じるかも。今日は『麦秋至る』だよ。2015/06/04
餅くま
4
季節を感じながら日々を過ごせるといいな。2023/06/24
ハンパク
1
手作りの布に触ったような感じの残る一冊。職人が染め上げた一着の服を愛することができれば、七十二候の面影と出会っている。そんな感覚を思わせる内容だった。都会で仕事に忙殺されていると、季節を忘れがちだが、店先に並ぶ新米の日本酒を手に取ったとき、想像してみるのもまた一興。その日本酒の誕生までの物語と、季節の変遷という世界観を。2016/10/13