出版社内容情報
10万部突破のベストセラー、待望の文庫化!
内容説明
仏教の誕生、日本への伝来から、葬式や戒名の意味、新興宗教まで―。仏教にまつわる疑問をわかりやすく解説。
目次
第1章 仏教って何ですか?(そもそも仏教って何ですか?;三大宗教のひとつ、仏教はどこでどのように生まれた?;開祖、ブッダの悩みが仏教の原点に ほか)
第2章 仏教発祥の地インドへ。―ダライ・ラマ法王との対談(インドの中の小チベット、ダラムサラへ;仏教を本来の形のまま受け継いだチベット人;チベットでは高僧の後継者に「生まれ変わり」が選ばれる ほか)
第3章 仏教で人は救われるのか?―日本人にとっての仏教とは?(自分の宗教や宗派についてほとんど意識しない日本人;すべての物事には原因がある。実に科学的な態度の仏教;仏教の僧侶は心のはたらきに向き合い続けるプロ ほか)
著者等紹介
池上彰[イケガミアキラ]
1950年8月9日、長野県に生まれる。慶應義塾大学卒業後、73年に日本放送協会(NHK)に記者として入局。報道局社会部記者などを経て、2005年に退職後、独立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
むーちゃん
118
ダライ・ラマ14世との対談あり。「仏教とは控えめな宗教である、他人に信仰を押し付けたりしない」なるほどと。が故に死者に対するセレモニーに特化しすぎ、教えが霞んでしまっている。との記述も。 確かに私も日本人でありながら、仏教について知らないし、知っていきたいと思った。 2020/10/22
ひろき@巨人の肩
102
本書で学んだ3つのポイント。今後、仏教を深掘りしていく指針としたい。①仏教の真髄は「諸行無常」と「諸法無我」。世界は私と関係なくうつろい、他人と「分別」された私とは実体のないもの。私という存在を、他人との区別により見出すときに、煩悩が生まれ苦しみとなる(一切皆苦)。悟りの境地とは煩悩のコントロール。②日本の仏教は、中国・儒教の祖先崇拝を取り入れた「葬式仏教」と鎌倉時代に仏教を民主化した「大乗仏教」に思想の特徴がある。③チベット仏教は、仏教を本来の形もまま受け継いでいる。2022/06/29
Vakira
31
ドスエフのカラマの兄弟を読み、東方正教とキリスト教に興味を持ち解説本を読んでみた。映画「沈黙」を見、そういえばブッダの「スッパニパータ」は途中まで読んで投げ出してしまって、仏教自体よく理解していないと自覚。ではっと思いこれを読んでみた。池上さん素晴らしい。ポイントを捉えた説明で、おおっと概略理解出来ます。「諸行無常」「諸法無我」「一切皆苦」「涅槃寂静」の四法印が基本理念の様だ。輪廻転生の世界観は進化生物学の遺伝子の様で僕にはこの考え方が自然科学的にしっくりきた。自分は無宗教と思っていたが、やっぱ仏教か?2017/03/22
bianca
30
ここ最近、年に二回ほど大きな写経会に参加して般若心経を写経している割に、内容がわかっていない。そもそも仏教をわかっていない。写経会で毎回説法があり、その中の「日々中庸な態度で淡々と生きる」話が琴線にふれ、興味が湧いてきた仏教。この本では基礎が学べて大変勉強になった。「諸行無常」と「諸法無我」。人生はそもそも思い通りにならないのが当たり前なのだ。科学的で理にかなっており、そして控えめ。現在の日本では主に「葬式仏教」となってしまった。ちょっともったいない気がする。死に関わるだけでなく、生きるための仏教もいい。2020/03/30
Kentaro
28
「諸行無常」「諸法無我」で、人生はそもそも思い通りにならないのが当たり前なのだ。そうブッダは説きます。なのに思い通りになるだろうと期待するから、思い通りにしようと躍起になるから、そこに苦しみが生まれるのだ。そもそも生きることは苦である。ブッダの教えはここから始まります。そして、ダライ・ラマもこう言います。「仏教徒になる必要はありません。よい生き方をすればいいのです」一神教ではない仏教には、多彩な価値観を認める懐の広さが備わっている。この仏教のもつ大らかさこそ、八百万の神とともに生きてきた日本人に合う。2019/03/18