出版社内容情報
競馬歴70年の哲学を傾けた競馬ファン垂涎の一冊!
内容説明
わが競馬人生に悔いなし。競馬なしには語ることのできない人間模様を描いた、競馬エッセイの名篇。
目次
1(初めての競馬;幻の名馬;カストリとヒロポン;ガーネットが消えた! ほか)
2(競馬評論家の元祖;パドック仲間;競馬のバイブル『草競馬流浪記』;裸つながり ほか)
著者等紹介
矢崎泰久[ヤザキヤスヒサ]
1933年、東京に生まれる。早稲田大学中退。65年、雑誌『話の特集』を創刊し、95年2月まで三十年間にわたり、編集長と社主を兼務。映画・TV・ステージのプロデューサーとしても多くの仕事を手がける。現在はフリーのジャーナリストとして活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
六波羅
9
競馬界隈を彩る、多士済済との交遊録。寺山修司の好きな(恋した?)馬に対する抒情的発言はいつ聞いてもいい。本書には載ってないが、寺山の呪われた一族【メジロボサツ】を題材にしたエッセイが白眉。矢崎泰久氏はギャンブル業界に国家が入る事を嫌う。今、日本はこのようになっている。競馬・農林水産省、競輪、オート・経済産業省。競艇・国土交通省、パチンコ、パチスロ・警察庁(パチンコは警察庁の管轄じゃないけど)高いテラ銭とって、既得権益という荒縄で亀甲縛りされながら甘い汁吸ってる奴らは確かにギャンブラーの敵だな。2014/10/08
imagine
3
昭和十四年に菊池寛に手ほどきを受けて以来、今なお現役という著者の競馬歴が凄い。山口瞳、色川武大、寺山修司といったお馴染みの名前から赤坂の組長までもが登場。競馬そのものはもちろん、競馬を介した交遊録として大変面白い。将棋における大崎善生がそうであるように、この著者も『話の特集』編集長として並居る作家を相手にし、付き合い、観察している。文筆家が無頼であった時代の空気が蘇り、強い憧れを感じながら瞬く間に読了した。2018/12/06
菊地
2
戦前から2010年過ぎくらいまでの時間軸で作者の競馬との関わりがエッセイの形で次々と語られている。 スポーツとしての競馬としてより、「ギャンブル」としての競馬への愛着を強く感じるので、その辺は僕の好きな部分とは異なるけど、作者の長い競馬歴に対しては頭が下がるところがあり、エッセイとして興味深かった。 ただ一方で「公営」であることへの不信が随所で顔を見せるのは少しクドさはあったし、「無敗で三冠に挑むのはディープインパクトのみ」「エアグルーヴがダービー1番人気で2着」等の間違った記述があるのは減点材料ですね。2023/08/30
macau3
2
1959年中山競馬場有馬記念、月給は1万円そこそこ、ガーネットの単勝20万円を賭け的中、配当は2280円、払い戻し456万円をゲット。彼は1933年生まれだから26歳か。今に置き換えると20倍としてざっと1億近くの金を手にした事になる。『話の特集』はいち時期必ず買ってた雑誌だ、麻雀の話は阿佐田哲也を筆頭によく目にした記憶があるが、競馬の話はあまり載ってなかったように思うが凄い。20万円を単勝に1点買いとは豪快だ。50年経った今でも20万買える人は少ない。しかも貨幣価値から言うと500万ということになる。2015/03/05
rabbitrun
2
愛すべき競馬ファンの面々。競馬で、というより、競馬が人生を語り、人を語る。2013/07/10