内容説明
飼い主との再会も、助けられなかった命も。福島原発20キロ圏内で保護活動をするカメラマンが撮りためた、助けを待ち続ける動物たちの写真集。
著者等紹介
太田康介[オオタヤススケ]
1958年9月23日生まれ。滋賀県出身。フォトグラファーアシスタントを経て、編集プロダクションにカメラマンとして入社。1991年よりフリーに。日本写真家協会(JPS)会員。報道カメラマンに憧れ、80年代後半から90年代はアフガニスタン、カンボジア、旧ユーゴスラビア連邦など紛争地帯を撮影。他にも北朝鮮、中国の中南海地区、台湾原発、ポーランドなどに潜入取材をする経歴をもつ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真香@ゆるゆるペース
124
図書館本。少し前に読んだ「やさしいねこ」で著者の太田さんを知り、他の作品も読んでみたくなって次に借りたのが本書。絶対つらくなるって思ったタイトルだったけど、目を逸らさず知っておかなければと思い直し、手に取った。やはり涙なしには読めなくて、途中で読むのをやめたくなるぐらい、もう気の毒で… 残念ながら命を落とした動物もたくさんいたけど、太田さんを始めいくつかのボランティア団体の方達の尽力により、運良く助かった子や飼い主さんと会えた子もいて、少しホッとした。物言えぬ動物達の命の尊さを、今まで以上に実感。2019/10/15
しいたけ
114
本では残された動物の描写を読んでいた。十分とまではいかないまでも、その光景を7割くらい想像できていると思い上がっていた。思い上がっていた。思い上がっていた。思い上がって、いた。2018/03/09
あっか
71
震災の陰で起こった、動物たちの姿。飼い主を待ち続ける犬たち、人間を待っていた犬たち、何とか生きようともがいた猫たち、為すすべなく亡くなっていく牛や豚たち…著者の写真家・太田さんの無念の気持ちも痛いほど伝わってきて、涙なくしては読めません。でも目は逸らしてはいけないとも思いました。つらい記録を残してくださって感謝です。2019/02/12
kinkin
56
3.11地震の福島原発事故で住民達が避難した町。人のいない町に取り残された犬や猫、家畜たち。エサよりも人恋しい犬、やせ細った猫、犬小屋につながれたまま死んだ飼い犬、水を求めて用水路に落ちて上がれなくなり死んだ牛、悲しい目をした馬。あの日動物たちは、取り残されるとは夢にも思わなかっただろう。家の中で見えないまま死んでしまった鳥や魚も多いことだろう。読んでいて辛くなった。2014/04/26
ユー
42
胸がぎゅーっと締め付けられる思いでした。居なくなってしまった飼い主さん達、無くなってしまった日常。動物達にとっては、ただただ訳が分からず、だったに違いありません。保護されず、途方に暮れたり息絶えてしまった動物達がどれだけ多いか、深々と考えさせられます。2019/10/27