内容説明
1928年(昭和3)、二代目市川左団次一座はなぜソ連で歌舞伎初の海外公演を行ったのか。また、それを見たソ連の人々の反応はどのようなものだったのか―。公演実現に至るまでの日ソ双方の事情や背景をさぐるとともに、公演後にソ連から贈られた新聞・雑誌の記事や批評のスクラップブックを翻訳することによって、歌舞伎という演劇を初めて見たソ連側の関心や反応を明らかにした。
目次
1 一九二八年歌舞伎ソ連公演を読み解く(一九二八年のソ連が見た解舞伎;日ソ国交回復前後の文化交流とその政治的背景;異国趣味の正当化―一九二八年訪ソ歌舞伎公演をめぐって ほか)
2 文脈としての日露演劇交流史(日露戦争劇『敵国降伏』―歌舞伎の戦争劇と史劇の交点;アルカイズムは未来主義を刺激する―エイゼンシテインと歌舞伎;メイエルホリド劇場と日露交流―メイエルホリド、ガウズネル、ガーリン ほか)
3 一九二八年歌舞伎ソ連公演新聞・雑誌評(新聞・雑誌評;執筆者;掲載媒体 ほか)
著者等紹介
永田靖[ナガタヤスシ]
大阪大学大学院文学研究科教授。専攻は演劇学、近代演劇史
上田洋子[ウエダヨウコ]
株式会社ゲンロン副代表、早稲田大学・中央大学非常勤講師。専攻はロシア文学・演劇
内田健介[ウチダケンスケ]
千葉大学特任研究員。専攻はロシア演劇(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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