内容説明
戦前の西欧に向けた輸出の試み、戦時下の満州や中国での上映の実態、『羅生門』『ゴジラ』をはじめ海外に日本映画の存在を知らせた戦後映画の登場、海外資本との合作の動向など、日本映画の海外進出の歴史をたどり、それを推進し、紹介に寄与した人々の活動を明らかにする。
目次
1 “ニッポン・イメージ”の進出―戦前・戦時下の模索(日本映画の海外進出―願望と実態;フランスで初めて公開された日本映画―エキゾティズムと好奇心;ドイツにおける日本映画の受容―最初期の鑑賞会から『十字路』『ハワイ・マレー沖海戦』へ;国際文化振興会と日本映画―『五人の斥候兵』のベネチア受賞を中心に;満州における日本映画の進出と映画館の変容;占領下の華北における日本映画と映画館)
2 日本映画の輸出―戦後の構想と実践(冷戦期アメリカが見た日本映画―ジョンストン・プランの役割;永田雅一と日本映画国際化戦略;『羅生門』から『ゴジラ』へ―輸出産業のホープをめざして;東映動画の輸出と合作―大川博時代の構想と実態;台湾における日本映画の断絶と交流―一九五〇-一九七二)
3 日本映画の広がり―戦後から二一世紀へ(『羅生門』の受賞とその後―ストラミジョーリとジュグラリスを中心に;蝶々夫人の夢―一九五〇年代の日本映画と合作ブームの到来;他者という眼差しと戦略―リチーとアンダーソンのThe Japanese Filmの複雑な可能性;日本映画の紹介とドナルド・リチーの貢献―ジャパン・ソサエティを中心に;グローバル化時代の中のインディペンデント映画―その「国際性」とは何か)
著者等紹介
岩本憲児[イワモトケンジ]
日本大学芸術学部非常勤講師。専攻=日本映画史、映像論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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