内容説明
『1Q84』を中心に、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』『ノルウェイの森』などの村上春樹の小説から、表象・ジェンダー論のメソッドを用いて新たな相貌を析出する。多彩なアプローチにより、これまでの春樹文学の解釈を更新する画期的な一冊。
目次
1 村上春樹の表象空間(可能性としての物語―「総合小説」としての『1Q84』;既視の物語『1Q84』―始まりとしての“声”;閉じられない世界を求めて―『1Q84』におけるコミュニティ;コード1Q84―世界認識の新しい方法;リライティング・スペース『1Q84』―BOOK1・2からBOOK3へ)
2 村上春樹のジェンダー空間(戦う女性表象で読む『1Q84』;“幻想”の恋人たち―『ノルウェイの森』から『1Q84』へ;『1Q84』の“母”たち―『海辺のカフカ』との対比において;『1Q84』における暴力表象―女同士の連帯と親密性をめぐって;村上春樹と“私的領域”―ルーティン化する“恋愛”が壊れるとき)