内容説明
安部公房は、小説や戯曲だけでなく、映画、ラジオ、テレビ、写真など、同時代に発展した多様なメディアと積極的に関わり、ジャンルを自在に越境しながら、自らのモチーフを表現しつづけた。文字・映像・音声・身体表現を巧みに駆使した安部の実験的な活動をさぐる。
目次
1 総論(メディアの越境者としての安部公房;“社会理論”としての安部公房)
2 戯曲・スペクタクル・パフォーマンス(幽霊と珍獣のスペクタクル―安部公房の一九五〇年代;死者との同化からマルクス的幽霊へ―『制服』から『幽霊はここにいる』への更新;安部演劇の可能性と限界―『未必の故意』の劇構造を中心に;『未必の故意』序説―感情移入と共同体イデオロギーを否定する演劇;俳優座から安部公房スタジオへ―新たな演劇の模索と挑戦;アヴァンギャルディストの顔―安部公房スタジオの日々)
3 映像と他メディアへの越境(“砂”の闘争、“砂”の記録―あるいは安部公房における“アメリカ的なるもの”について;電子メディア時代における異化―一九六〇年前後の安部公房のテレビ脚本・SFから『砂の女』へ;ラジオドラマ『耳』『棒になった男』『赤い繭』―安部公房の不気味な笑い;実在と非実在の間の空間における探求―安部公房と写真の役割;メディア実験と他者の声―安部公房『チャンピオン』と『時の崖』;安部公房と日本万国博覧会―勅使河原宏との協働最終章)
エッセイ・劇評(「快速船」の演出について;共同幻想を裁く眼―俳優座『未必の故意』)
著者等紹介
鳥羽耕史[トバコウジ]
早稲田大学文学学術院教授。専攻=日本近代文学、戦後文化運動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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