内容説明
神話の時代より黒潮に洗われながら、さまざまな文化を受け取り、そして発信してきた熊野。補陀落渡海や漂着神、海を舞台にした祭り、熊野漁民の活躍など、「山の熊野」に比して忘れられがちな、「海の熊野」の文化を見つめ直す。
目次
海の熊野の魅力
黒潮と黒潮反流
海からの眼差し 海への眼差し―熊野の祭りの基層
花の窟
熊野の補陀落渡海―水葬儀礼に着目して
熊野の漂着神と徐福信仰
熊野水軍―中世前期を中心にして
熊野比丘尼と絵解き
関東・東北出漁―熊野漁民の進出1
土佐、壱岐、五島の鯨捕り―熊野漁民の進出2〔ほか〕
著者等紹介
谷川健一[タニガワケンイチ]
1921年生。民俗学者
三石学[ミツイシマナブ]
1955年生。海の熊野地名研究会事務局長、熊野市教育委員会総務課長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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メルセ・ひすい
3
15-68 串本から船っ大島の樫野崎!眺望!沖合い遥かっっ濃い醤油の色…雄大な海の流れが西から東へ…すいこまれるような、心の底から深く深く感動し、その光景が今も眼に灼きついている。「海を通じて熊野は全国に、世界に繋がっている。海を通じた熊野の地名を研究する会を立ち上げてほしい…」谷川先生は8年前の‘03.10熊野の基調講演で語った。神話の時代より黒潮に洗われながら、さまざまな文化を受け取り、そして発信してきた熊野。補陀落渡海や漂着神、海を舞台にした祭り、熊野漁民の活躍など、「海の熊野」の文化を見つめ直す。2011/09/18
メーテル/草津仁秋斗
0
海という視点から、熊野について考察した一冊。信仰から民俗、有名な出身者や地名まで、熊野のあらゆることが書かれている。地元の人の論考も載った、貴重な一冊。2016/06/16