内容説明
「日本神話」の豊かな想像力の世界を『古事記』を中心に解読し、のちの時代のさまざまな読み替えや変容をたどる。神々と仏の混淆した中世の神話世界から、現代のファンタジー文学やゲーム・CGにいたるまで、新たな姿をみせる「日本神話」との出会い。
目次
序 「日本神話」とはなにか
1 「日本神話」の世界―『古事記』を中心に(世界創世と兄妹婚―イザナキとイザナミ;女神アマテラスの成長と変貌;英雄と怪物退治―スサノヲとヤマトタケル;王の誕生の物語―オホアナムヂと天つ神の御子たち;王権伝承と歴史叙述―神話から歴史時代へ、中・下巻の中の神話的構造;『古事記』神話の世界構造)
2 「日本神話」の脱領域(中世神話の世界―「日本神話」の再解釈・再創造(1)
江戸の「日本神話」と『古事記伝』―「日本神話」の再解釈・再創造(2)
神話の「近代」、その不幸と可能性―「日本神話」の再解釈・再創造(3)
民間神話と伝説・昔話
歌と神話―神話の表現様式
ファンタジー文学と神話)
著者等紹介
斎藤英喜[サイトウヒデキ]
佛教大学教授。専攻は神話・伝承学
武田比呂男[タケダヒロオ]
十文字学園女子大学短期大学部教授。専攻は日本古代文学、民俗学、口承文芸
猪股ときわ[イノマタトキワ]
首都大学東京教授。専攻は日本古代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うえ
11
本書ではエリアーデの『シャーマニズム』について、「憑霊・脱魂という図式ではない、著者のシャーマニズム研究の真髄を学ぶ必要がある」と述べ、「シャーマニズムと神話との関係については、『神話と現実』も必読」とする。「折口が、神話の発生について新しい視点を打ち立てたことについて注目する必要がある…シャーマンの神懸りのなかで発した言葉から「神話」が作り出されたという見方」。神話が言語の疾病だとか自然の比喩だという過去の神話学とは一線を画する。シャーマニズムと神話の起源を結びつける発想はエリアーデにも通ずるという。2021/02/09
ちゃか
0
まぁ、タイトル通り日本神話について書かれた本ですよ。多人数の評論が乗ってる感じの。途中にコラムが入るので、うまくすればテンポよく読めますかね。ページ下段に脚注が充実してるので、情報補完もしやすい感じで。コラムで日本神話とゲームとか、評論でファンタジー文学と神話とか、若い人にもわかりやすいネタが入ってたのはよかったかと。2012/03/29
YOSHIDA MAO
0
論文集。2011/09/14
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- 和書
- 遠き色 - 田井洋子句集