目次
総論 武田勝頼の研究
第1部 武田勝頼像の変遷(武田勝頼;勝頼、決して侮るべからず)
第2部 信濃諏方と武田氏(戦国時代の諏訪湖の漁業と諏訪社―「船別銭」と「網渡銭」を中心にして;武田勝頼の諏訪社再興政策 ほか)
第3部 武田勝頼の領国支配と軍事力編成(武田勝頼の領国経営;武田勝頼の駿河・遠江支配 ほか)
第4部 武田勝頼の外交政策(武田勝頼の外交政策;甲相同盟と勝頼 ほか)
第5部 武田勝頼の合戦と城郭(長閑斎考;長篠合戦における織田方の首注文 ほか)
著者等紹介
平山優[ヒラヤマユウ]
1964年生まれ。現在、健康科学大学特任教授。2016年放送のNHK大河ドラマ「真田丸」、2023年放送のNHK大河ドラマ「どうする家康」の時代考証を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoneyama
6
著者は真田丸、どうする家康の監修者で私と同年生まれ。90〜2000年代に各県史などが刊行され、飛躍的に古文書類が整理されて、それまでの「愚か勝頼」論はかなり覆されてきている。500年前の研究でも新研究が出る歴史学。この間の勝頼重要論文のセレクション。研究者はみな60年〜70年代生まれの若い世代。こうして歴史の決めつけは代わっていくのかあ。確実な古文書から厳密に史実を確認していく地味ながら風評を覆していく歴史研究者たち。シリーズ中世関東武士の研究ってすごい。その39巻目。戎光祥出版イカれてます。2025/05/19
いろとりどり
0
武田勝頼の最新研究に繋がる論文が多数収録されていた本だった。丸島先生の「武田勝頼の外交政策」「戦国大名武田氏の西上野支配と箕輪城代」が興味深い。後者では勝頼から内藤昌月に対し、箕輪城代就任に際しての指示内容を分析。内藤昌月の権限拡大により、滅亡後の「国衆化」に繋がった可能性を示唆していたのはなるほどと感じた。田中先生「越甲同盟再考」での東上野割譲の否定や、海老沼先生「御館の乱に関わる新出の武田勝頼書状」での勝頼→景虎への和睦相談の様子も、史料を元にしながら御館の乱の実情を知る上でとても学びになった。2025/08/11