内容説明
いつも猫がそばにいた。源氏物語、戦国大名、滝沢馬琴、歌川国芳を経て夏目漱石まで。珠玉のエピソードで送る猫の“足跡”。
目次
第1章 猫、王朝時代に生きる(猫のあけぼの;猫、帝と見つめ合う―宇多天皇と父と黒猫;帝、猫を贈る―花山天皇と、義母と猫 ほか)
第2章 猫の自由と受難(戦国の猫、悲喜こもごも;猫の行方を案じて般若心経―猫公家・西洞院時慶;戒名をつけられた猫―英俊『多聞院日記』の世界 ほか)
第3章 猫、太平の世を生きる(一筆啓上、猫喰わせ;猫、もてはやされる;馬琴と猫と、息子の嫁―赤雑毛男猫・仁助 ほか)
著者等紹介
桐野作人[キリノサクジン]
1954年鹿児島県生まれ。歴史作家、武蔵野大学政治経済研究所客員研究員
吉門裕[ヨシカドユタカ]
ライター。歴史・文学および生きものについて執筆している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ポチ
40
いつの時代もネコは人の側にいたのですね!食べ物や書物を食い荒らすネズミ退治にはネコ!やんごとない方達や武将、寺社などからモテモテだったのですね。巻末のねこに纏わる付録も良かったです。2024/09/22
kanki
16
文豪も天皇も武士も愛してしまう猫。古墳で見つかった猫の肉球遺跡🐾見てみたい。2024/02/21
ぺん
9
真辺将之「猫が歩いた近現代―化け猫が家族になるまで」が江戸時代後期から平成までの猫と人の歴史を表しているのに対して、こちらは日本文学に初めて登場した猫を筆頭に、明治までの歴史である。時代がちょっとかぶってる。でも、切り口が違うのでかぶってるのは気にならない。今年の大河が光る君へなので、枕草子の翁丸のくだり(犬主役の話だけどw)とか、花山天皇の猫話とか興味深かった。戦国・江戸の話もとてもいい。滝沢馬琴の息子の嫁なんて、嫁主役で大河ドラマ作れるんじゃないかと思った。2024/12/06
てくてく
8
平安~江戸期の資料で知ることのできる猫とその猫に関わる人に関する本。大河ドラマでも愛くるしくて魅力的な猫が出てきたが、確かに風が入り込んで寒そうな寝殿造りの住人にとって猫は暖かさも提供してくれる貴重な存在だったのだろう。皇族、貴族、そして戦国武将の間で猫のやりとりがあったり、トラを知らない時代の画家が大きな猫としてトラを描いたり、あるいは朝鮮出兵に連れていかれた猫がいたりと、猫に関する蘊蓄が面白く、また何よりも記録が残されているからこそそういった猫を知ることができることにも強い印象を受けた。2024/08/30
chietaro
8
江戸時代からの史料が充実していて、当時の生活も絡めて、内容に厚みが出たように思います。また、滝沢馬琴の家族は、彼の扱いに苦労していたと感じました。猫を愛でることは、今も昔も本質は変わらないような気がします。2024/01/05