内容説明
志摩国の小勢力から織田信長・豊臣秀吉のもとで水軍大将に台頭するも、関ヶ原の戦いで自害に追い込まれた九鬼嘉隆の生涯と、嘉隆以後の一族の活躍や本拠鳥羽城跡の最新研究も収録!
目次
第1章 中世志摩の海賊衆
第2章 九鬼氏の動向と嘉隆の登場
第3章 織田信長と嘉隆
第4章 豊臣政権下の九鬼氏
第5章 嘉隆から守隆への家督継承
第6章 関ヶ原の戦いと父子の争い
第7章 嘉隆亡き後の九鬼氏
第8章 九鬼氏の居城鳥羽城
第9章 捕鯨と海賊衆
終章 海から離れた九鬼氏
著者等紹介
豊田祥三[トヨダショウゾウ]
1975年生まれ。立命館大学文学部日本史学専攻卒。現在、鳥羽市教育委員会生涯学習課に文化財専門員として勤務。専門は考古学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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MUNEKAZ
15
海賊大名として著名な九鬼嘉隆の評伝。そもそも嘉隆は九鬼氏の中でも本流ではなく、志摩国での勢力争いに敗れて尾張に逃亡。その後、信長の後援を得て復帰と紆余曲折を経た歴史の表舞台への登場にまず驚き。また織豊政権から重用された理由として、「大船」を建造するノウハウを持った職能集団を抱えており、純粋に戦力としての水軍以外にも様々なバックアップ体制が整っていたというのが印象的。この辺、内海である瀬戸内と違って、外洋に出ていかざるを得ない太平洋側の水軍というのも関係しているのであろうか。紀伊半島を廻って縦横無尽である。2023/11/09