内容説明
湿地帯と奇襲に敗れた武田の騎馬軍団!!“守りを固めよ”巧妙な信長の布陣に壮絶な討ち死にを遂げた猛者たち。信長はいかに勝ち、勝頼はいかに敗れたか戦さの痕跡を追い哀悼の地を検証する。
目次
第1部 長篠前夜(長篠城と山家三方衆;織田信長の本願寺攻め;武田勝頼の三河侵攻)
第2部 長篠での激突(長篠城をめぐる攻防戦;五月二十日の決断;有海原の決戦;長篠の戦いのその後)
著者等紹介
金子拓[カネコヒラク]
1967年山形市生まれ。東北大学文学部卒業。同大学院文学研究科博士課程後期修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員を経て、東京大学史料編纂所助手。現在、同准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yo
9
【勝頼痛恨のミス】所謂「三段撃ち」として有名な長篠の戦いだが、実際にはそんな戦い方はされていない。本書では、織田・徳川軍と武田軍がどのような経緯で戦闘に至ったか、そしてどんな戦いとなったのかを史料を基に整理している。信長はあくまで戦力温存のための防御的戦術として馬防柵と酒井忠次の奇襲を戦術として採用した、馬防柵の前には湿地帯が広がっており、武田の騎馬隊がその威力を発揮できなかった。これが本書で出た結論である。信長の軍事的才能については正直疑問を抱いていた手前、こうした分析には一定の納得感がある。2023/05/01
うしうし
6
「長篠の戦い」を「鉄砲戦術の勝利」ではなく、信長が武田軍に対し「防御的姿勢に徹し、それを前提とした状況判断」を行ったことが、織田軍に勝利をもたらした要因とする(p89)。その背景には本願寺攻めのための兵力を温存したいという、信長の判断があったとする。 本書は長篠の合戦に至る前後の様相が、カラー図版の地図を多用することによって、わかりやすく描かれており、また天正3年(1573)4月の信長による本願寺攻めが武田勝頼の三河侵攻を誘発したという、両者の関連性を強調するのが本書の特徴。2021/06/28
m__akiyoshi
3
現時点で最新の内容が写真や地図を使って纏められている。このシリーズはコンパクトに纏められててとても読みやすい。しかも参考文献も巻末に掲載されてて、さらに詳しく知りたい場合に便利。こういう書籍だと研究の進み具合を知ることができるけど、最近の教科書はどうなんだろう…?未だに火縄銃の三段撃ちv.s.騎馬戦術とかいう評価の仕方なんだろうか…。2020/11/28
さとまる
3
武田騎馬軍団を織田が鉄砲三段撃ちで勝利した合戦、とイメージされがちな長篠合戦の最新検証。勝頼が長篠城から動いたことを知った直後の鳶巣山奇襲作戦を実行に移した信長の判断こそが勝敗を分けたといえるのか。信長は本願寺攻めのために兵の損耗を避けたくてガッチガチに守りを固めた結果が馬防柵と湿地を前にした布陣だったんだなぁ。2019/12/23
やま
2
カラー写真をふんだんに用いて最新の研究成果を手堅くわかりやすくまとめてある。コンパクトながら読み応え十分。このシリーズはどれも高水準だが、俺が読んだ中では本書がベストかもしれない。2020/09/17
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