目次
第1部 滋賀県の城郭の特徴
第2部 京都府の城郭の特徴
第3部 奈良県の城郭の特徴
第4部 大阪府の城郭の特徴
第5部 和歌山県の城郭の特徴
第6部 兵庫県の城郭の特徴
第7部 近畿の城郭をめぐるさまざまな論点
著者等紹介
中井均[ナカイヒトシ]
1955年、大阪府生まれ。龍谷大学文学部史学科卒業。公益財団法人滋賀県文化財保護協会、米原市教育委員会、長浜城歴史博物館館長を経て、滋賀県立大学人間文化学部教授。また、NPO法人城郭遺産による街づくり協議会理事長として、全国のまちづくりにも関わる。専門は日本考古学で、特に中・近世城郭の研究、近世大名墓の研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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六点
53
中世城郭研究者の集団である城郭談話会によって出版された『図解 近畿の城郭』1~5巻出版の完結後、その「総論」として出版された書籍である。近畿二府四県それぞれの城郭について、文献史学・考古学・縄張研究の見地から纏められたものと、後半に研究の過程で産まれた様々な論点を取り上げた論考とで成り立っている。一巻を読んだだけで放置中の『図解~」があんな浩瀚な書なのに、近畿の城跡の極一部しか取り上げられていないのに驚くとともに、どんな分野でも知れば知るほど分からんことだらけ、と落ち込んだことであるよ。2021年最後の本2021/12/31
chang_ume
5
『図解 近畿の名城』の総括的位置づけ。織豊系と在地系の縄張り分類に関して大名系縄張り論で提示された課題認識を背景に、資料論の整備など城郭考古学の進展がうかがえる。京都における築城忌避を指摘した福島論文、大坂城型を提唱した中西論文、摂河泉公儀権力の城郭特徴を整理した天野論文、山寺境内の参道・伽藍配置を吸収した山城構造を検討した福永論文、織田信長の城郭瓦について工人編成の流動性を指摘した山口論文など。2024/07/15