内容説明
洞ヶ峠での日和見はなかった!戦国乱世のなか、一介の国人から大和国主までのぼりつめた大立者。順慶の去就が、山崎合戦で光秀・秀吉の命運を左右する!!
目次
第1部 宿敵・松永久秀との激闘(家中の派閥争いに巻き込まれた幼少期;大和をめぐる松永久秀との抗争)
第2部 大和国主として織豊政権で活躍(織田政権下における順慶の大和支配;本能寺の変と秀吉への帰属;文化への造詣も深かった順慶)
著者等紹介
金松誠[カネマツマコト]
1977年生まれ。奈良大学大学院文学研究科文化財史料学専攻博士前期課程修了。現在、三木市立みき歴史資料館主任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Shoji
35
筒井順慶の生涯を史実に基づき復元しています。筒井順慶と言えば「洞ヶ峠、日和見」、「元の木阿弥」などの逸話が連想されますが、これら後世に脚色がなされたであろう事項については、詳しくは触れられていません。洞ヶ峠の時、順慶はどこで何をしていたかの事実のみが記述されています。元の木阿弥については、順慶の死を隠したのではなく二度葬儀を行った事実を記述しています。筒井順慶のヒストリーを、かいつまんで勉強したい人にはお勧めです。2021/12/29
MUNEKAZ
9
筒井順慶のコンパクトな評伝。「元の木阿弥」や「洞ヶ峠」といった逸話は排し、一次資料に基づいてその生涯を追っている。信長の傘下に入ることで、最大のライバル松永久秀を倒すことに成功するのだが、代償として各地の戦に駆り出されるわ居城は破却されるわでなかなか大変(まあ信長の後ろ盾で国衆の粛清もシレーっとやってますが)。長生きすれば確実に大和から出ていかされたであろうし、薄い本ですが織豊期の畿内で地生えの勢力として生き残ることの大変さがよくわかります。2019/09/30
電羊齋
7
筒井氏の沿革、筒井順慶の生涯、戦国時代の大和国情勢についてコンパクトにまとまっている。筒井氏の城郭についても詳しく、興味深く読めた(著者は城郭研究者)。ライバル松永久秀と激闘を繰り広げ、一時はかなり追い込まれるが、逆転し大和一国支配を実現する。そして織豊政権の有力武将として活躍する。「日和見」は架空の出来事だが、冷静に情勢を見極めたことは事実だったようだ。さすがは戦国時代の目まぐるしく変化する畿内情勢の中で生き残った順慶というべきか。また、順慶が家康の伊賀越えを助けたという説も紹介。2020/02/24
うしうし
3
大和の支配権をめぐる松永久秀と筒井順慶の関係を知りたくて本書を読んだが、あまりよくわからなかったというのが、正直な感想。著名な「洞ヶ峠での日和見」についても、もう少し詳しい説明が欲しかった。 *本拠地である筒井城の空中写真や概念図は面白かった。2021/07/13
さとまる
3
麒麟がくるで興味を持ったので読んでみた。東国ならともかく畿内の地理や戦国史についての知識が疎いのでこの内容でもなかなかに苦労した。洞ヶ峠に布陣したのは順慶じゃなくて光秀のほうだったのか。2020/12/09