内容説明
豊かな才能と人脈を活かして、学問の改革、司法制度の確立、裁判所の設置など日本の近代化に邁進した豪傑の生涯に迫る!
目次
序章 江藤新平のイメージ
第1章 風雲急を告げる幕末の政局
第2章 江戸の民政と佐賀の民政
第3章 政治思想と諸改革
第4章 留守政府の政情
第5章 復権に向けた野心
終章 江藤新平の実像と虚像
著者等紹介
大庭裕介[オオバユウスケ]
1984年生まれ。現在、国士舘大学・玉川大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BIN
5
江藤新平の生涯や思想について最新研究も踏まえてまとめられています。司馬さんの「歳月」は未読で江藤新平について全く知らない状態で読みました。国学を元に尊皇攘夷を持ちつつ、西洋化を目指す点が珍しく思いました。ただ本書では新平よりも周りの人物の動向が多く、新平がいつのまにか台頭しているので、唐突感があってわかりにくい。2020/05/07
古谷任三郎
4
毛利敏彦や司馬遼太郎が作り上げた「近代市民社会の創始者・江藤新平」のイメージを根底から覆す。驚いたのは、江藤は「君主独裁」を目指し、神道・国学・尊王攘夷思想を明治以降にも色濃く持っていた事だ。それなのになぜ、近代司法を日本に取り入れたのかと言うと、近世以前の日本社会に民法がなかったことに加え、攘夷を実現できる天皇制国家を確立するためのものであった。新たな江頭像の確立には成功しているが、江頭がどのように台頭したのか等の人物像にも掘り下げて欲しかった。2022/01/02
きさらぎ
4
江藤の生誕からその成長と藩士としての活動、明治政府の一員となり、明治六年に下野、佐賀の乱に到る一代記として、その足跡を辿るのにはコンパクトで便利な一冊。巻末年表も充実している。江藤の国家構想及び思想については国学重視の姿勢が強調されており興味深いが、新律綱領や民法に対する江藤の姿勢、裁判所設置を進めようとした意図、文教政策において「キリスト教を嫌い、それを排除するよう洋学の内容を取捨選択しようとした。江藤にとって学問とは国家神道の補完的機能を果たせればよく、学問体系は大した意味を持たないと考えられていた」2019/01/06
バルジ
2
最新の研究成果に基づき、「美化」された江藤新平の実像に迫る1冊。 維新後もあくまで国学思想を根底とした尊王攘夷思想を堅持し続けるも、西洋の法体系(民法のみであるが)を摂取するその姿は、西洋と日本の間で彷徨う「近代」を体現しているように感じた。 ただ1点残念なのは、江藤が何故佐賀藩内ひいては明治政府で頭角を表したのかがやや不明瞭な点。この部分についてもう少し「江藤新平」という人物像に迫って欲しかった。2018/12/20
Go Extreme
1
江藤新平のイメージ: 二面性 時代とともに変わるイメージ 風雲急を告げる幕末の政局: 西洋化を進める佐賀藩 大攘夷標榜 佐賀藩士→徴士 江戸の民政と佐賀の民政: 財政破綻寸前の佐賀藩 幕政改革に着手 恨みを買い刺客に襲われる 政治思想と諸改革: 君主独裁国家を理想 大久保利通との距離感 国法会議の開催 廃藩置県断行 留守政府の政情: 国内改革のきっかけ 司法卿への就任と裁判所の新設 内務省創設を構想 復権に向けた野心: 尊王攘夷思想と征韓論 挙兵し佐賀県庁を襲撃 裁判で梟首が決定 江藤新平の実像と虚像2024/09/06
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