内容説明
家康に天下をもたらした「徳川四天王」。卓越した交渉能力で関ヶ原の戦いを勝利に導き、徳川幕府の名門・井伊家の基礎を築いた彦根藩祖の生涯を、豊富な史料を駆使して描き出す。
目次
第1部 戦国武将への飛躍(波瀾万丈な幼少期;家康への出仕;運命を変えた天正十年の動乱 ほか)
第2部 豊臣政権下での直政(秀吉の母・大政所の警固役;秀吉から武家官位を与えられる;徳川一門衆として扱われる ほか)
第3部 八面六臂の活躍をみせた関ヶ原合戦(秀吉没後の危うい政局;家康の名代を務めた関ヶ原合戦;激務だった戦後処理 ほか)
直政がもたらしたもの
著者等紹介
野田浩子[ノダヒロコ]
昭和45年(1970)京都市生。平成7年(1995)、立命館大学大学院文学研究科博士課程前期課程修了。同年より平成29年(2017)3月まで、彦根城博物館学芸員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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MUNEKAZ
7
徳川四天王・井伊直政の評伝。三河譜代ではない直政が、大々的に取り立てたられた理由として、本人の能力もさることながら、一度滅んだとはいえ国衆の嫡男として高い出自にあったことを挙げている。他家との外交では使者の格にも気を遣わねばならないので、その点で直政は有利であり、さらに豊臣政権臣従後は「侍従」に任じられ、大名格として他の大名たちと同格で交渉できたことは大きな強みだったとする。直政にとって戦目付や和睦交渉に奔走した関ケ原は、そうした交渉人としての総決算だったかもしれない。2017/10/10
ブランノワール
5
井伊家が井伊直弼などの大老を輩出するまでの家柄になったのは彼の活躍があったからこそですね2017/10/30
バルジ
2
有名ではあるが後世の脚色が多くその実像が見えなかった井伊直政の伝記。直政は出自とその優れた能力で徳川家中でメキメキと力を伸ばし、「開国の元勲」(これは家康が直接言った言葉ではないが)とも評される功労者になる過程が面白かった。 意外なのは直政自身はそれほど戦上手でなくむしろ家臣から諌められるレベルでしかなく、「井伊の赤備え」は井伊谷時代の家臣、武田旧臣団の功績が大きいということ。優れた家臣を直政に付け、彼の能力を最大限伸ばそうとした家康の采配は流石である。2018/01/05
あまたあるほし
2
井伊直政の家臣団が、かなり複雑に作られていった過程が面白かった。武田だけでなく北条家臣団もくわわってたのね。2017/11/05
こまさん
2
徳川家康のもと、徳川の外交官として、軍事大将として八面六臂の活躍をした徳川四天王の一人、井伊直政について、一次史料に基づいて考察された好著。ちなみに「直虎」については伝承の一つとしてさらっと一瞬出てくるだけ。大河に便乗したような薄っぺらな内容ではまったくないことがわかる。2017/10/27




