内容説明
師直・師泰・師冬をはじめ、足利将軍家を軍事・政治両面で助け、南北朝内乱の主役の一角を担った勇猛な一族の歴史を、いま初めて解き明かす!
目次
第1部 高一族の先祖たち(鎌倉幕府草創までの高一族;鎌倉時代の高一族)
第2部 南北朝初期の高一族嫡流(南北朝内乱の風雲児・高師直;師直の片腕・高師泰;関東で活躍した高師冬;優れた行政官であった高重茂;直義に味方した高師秋;その他の高一族―師春・師兼・定信)
第3部 南北朝初期の高一族庶流と重臣(尊氏の「執事」となった南宗継;若狭守護を歴任した大高重成;幻の有力武将・大平義尚;師直の忠臣・河津氏明;もっとも活躍した師直の重臣・薬師寺公義)
第4部 観応の擾乱以降の高一族(西国における高一族;東国における高一族;高一族をめぐる諸問題)
著者等紹介
亀田俊和[カメダトシタカ]
1973年、秋田県に生まれる。1997年、京都大学文学部史学科国史学専攻卒業。2003年、京都大学大学院文学研究科博士後期課程歴史文化学専攻(日本史学)研究指導認定退学。2006年、京都大学博士(文学)。現在、京都大学文学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ようはん
18
高師直の一族は古くからの足利氏の譜代だけあって有名な師直以外にも多くの人物が活動している。逆に南北朝に存在感を示しながら師直の殺害があったとはいえ、生き残った一族が守護大名になれず次第にフェードアウトしていく下りは物悲しい。2021/11/14
getsuki
14
高師直はじめとした高一族はいかにして栄え、そして衰退していったのかがよく分かる一冊。師直、師泰の活躍から軍事力に目が行きがちだが、実は官僚の働きだったり、文化人としての一面が強かったりと意外な発見が多かった。最後に一族没落に関する考察も興味深い。2016/04/05
浅香山三郎
9
南北朝期の武将の評伝を次々と執筆してゐる著者が、高師直以外の高一族も論じる。『足利直義』(ミネルヴァ書房)からの流れで読む。高一族の系譜から、観応の擾乱以降の活動にも目を配り、史料を適切に紹介する充実した評伝といへる。喜連川氏の家臣にも高一族の末裔が居たのかといふことも、興味深く感じた。2021/11/13
さとまる
6
高一族といえば、わかりやすい「悪役」にされがちな高師直のイメージが強いが、兄弟である師泰や、一族の師冬、重茂、庶流の大高氏南氏など多士済々。中でも再三再四「無能」呼ばわりされる師秋に同情してしまった。個人的には最終章での「師直以降の高一族がなぜ没落したか」を推察した部分が一番面白かった。2021/05/11
MUNEKAZ
3
南北朝期の高一族全体を紹介した一冊。師直・師泰兄弟のイメージで勇猛な武士団という印象の強い高氏だけれども、一人ひとりを見てみれば戦下手もいたり文官として活躍するものもいたりして、当然ながら千差万別。個人的には、最後の章で述べられている高氏がなぜ没落していったかの考察が興味深かった。2016/03/10