中世武士選書
三好一族と織田信長―「天下」をめぐる覇権戦争

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  • サイズ B6判/ページ数 202p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784864031851
  • NDC分類 288.3
  • Cコード C0021

内容説明

室町幕府に代わる権力はいかにして登場したのか。三好一族と織田信長、足利将軍家の激闘の歴史から、将軍を必要としない新たな政治秩序の形成過程を解き明かす。

目次

第1部 三好長慶の時代(長慶と将軍義輝の争い;揺らぐ将軍の権威;義輝を討つ三好氏)
第2部 三好一族の分裂と足利義昭(排除される松永秀久と三好義継;義昭に結集する織田・三好・松永氏;義昭を支える織田・三好・松永氏;三好三人衆・篠原長房の反攻;迷走する義昭)
第3部 阿波三好家と織田信長(反信長勢力の退潮;西国に迫る信長;秀吉の継承)

著者等紹介

天野忠幸[アマノタダユキ]
1976年、兵庫県神戸市生まれ。2007年、大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程修了。博士(文学)。現在、関西大学・大阪市立大学非常勤講師、柏原市教育委員会教育部文化財非常勤嘱託職員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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黒猫

12
歴史に対して無知であるかを思い知らされた。これは小説ではなく歴史書です。小説やドラマで信長が「天下を取る!」、「義昭は追放」などのシーン全て信長の意図するものでないことがわかる。義昭と上洛した際も松永久秀や三好義継と共に室町幕府を支えようとしたと。義輝を殺したのも久秀ではなく久通だった。いずれもびっくりした。信長は三好長慶を手本に家柄を上げることで結果として、幕府を滅ぼすことになっただけなど、やはり三好長慶はただ者ではない!そして松永久秀が信長に重用された理由も納得。値段だけの価値はありました。満足!2016/03/13

getsuki

7
足利将軍家を凌ぐ勢力となっていた三好一族にスポットを当てた一冊。従来の信長と義昭の関係性や松永久秀の立ち位置にも疑問符をつけ、何よりも名前すらマイナー(失礼)な三好長慶の手腕の巧みさに驚くなど。これじゃあ義輝が敵うわけないわと納得。2016/02/24

MUNEKAZ

6
三好家と信長、ともに将軍権力に依拠せず畿内に君臨した権力として、その関係を追う。織田政権なんて三好長慶の模倣と言わんばかりの著者の三好贔屓は相変わらずだが(ついでに足利義輝はけちょんけちょん)、信長上洛後の三好家との抗争がよくわかって面白い。とくに阿波三好家の存在感が印象的で、畿内への援軍や毛利家との備中を巡る争いなど、重臣・篠原長房に率いられた軍事プレゼンスはなかなかのもの。さらにその長房を粛清した三好長治にも、軍記物の「暗君」評価に囚われない再評価を試みている。バイアス強めの本だが、面白いことは確か。2016/01/31

Toska

5
有象無象と見られがちなポスト長慶期の三好氏だが、実際には畿内戦国史の有力なプレイヤーであったことがよく分かる。外部勢力との合従連衡の下、義昭幕府の有力な一員として、あるいは逆に信長包囲網の立役者として時代を動かしていく様は万華鏡を見るように面白い。出番の少ない長慶と実休ではなく、義継と長治(この人を描いた絵があるとは知らなかった)の肖像を表紙に使ってもらいたかったところ。なかなかそういう機会もないだろうから。2022/01/24

うしうし

5
話の流れが面白く、内容を十分理解せぬままに読み進めてしまった。三好や細川、松永は離合集散を繰り返すため、人物関係が複雑で難解である。ではあるが、本書には松永久秀が足利義輝殺害に関与していないこと、三好義継の政治性を従来より高く評価すること、信長の四国統治構想の中で長宗我部元親や三好(十河)存保の位置づけが低下し、河内国主の三好康長(笑岩)が登用されてくる時代状況のこと、秀吉は元来から将軍就任を望んでいなかったことなど、著者の独自見解が至るところで述べられている。著者は三好研究で定評のある新進の2016/03/01

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