内容説明
名将千葉常胤を祖とし、下総国相馬御厨の領主となった有力武士団。中世相馬地域の実態や、奥州相馬氏の系譜、将門伝承等、従来の通説にするどく切り込む。
目次
第1章 相馬御厨の成立と千葉氏―相馬氏誕生以前
第2章 相馬氏の誕生と所領形成―とくに鎌倉時代前期を中心に
第3章 相馬氏と変転する幕政―とくに鎌倉時代中期を中心に
第4章 相馬氏と専制化する北条氏―とくに鎌倉時代末期を中心に
第5章 相馬氏と南北朝期の動乱
第6章 相馬郡の中世世界―とくに鎌倉・南北朝期を中心に
著者等紹介
岡田清一[オカダセイイチ]
1947年生まれ。國學院大學文学部卒業。学習院大学大学院人文科学研究科博士課程(史学専攻)満期退学。博士(文学・東北大学)。現在、東北福祉大学大学院教育学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BIN
8
相馬氏の成立から南北朝の頃まで。主に下総でのことで、北条得宗家の専横から逃れるために惣領家は奥州に移転したようです。平安末期ではそもそもの領地である相馬御厨が佐竹に奪われてたのが契機で源頼朝を唆して?佐竹を攻撃させたりしているのは興味深い。また世代を減るごとに所領を分与しているせいか勢力的に弱まってる気がする。とにかく本書は所領の話が多く、惣領家のみを知りたり人には煩雑にすぎるかもしれない。奥州に移転した後もほそぼそと下総に残っていた相馬氏もいたようです。2018/10/14
MNK2
1
相馬氏の成立から中世の発展まで。戦国期も入っていればなおよかった。2017/10/16
吃逆堂
1
中世相馬氏研究の必須文献ではあるのだが、平安末期の相馬御厨の騒動といい、鎌倉後期の一族内相論といい、相馬氏の歴史的展開上重要なはずなのだが、結論がきっちり提示されずに次へ行ってしまう。いや、提示されているのかもしれないが、文章が煩雑であまりにわかりづらい。先行研究の個別的な論点にひとつひとつ反論するのはよいのだが、《論証過程=叙述の順序》は必ずしも最適ではない。2016/03/22