内容説明
上野のみならず京都にも拠点を持ち、摂関家や平氏の家人として活躍。治承・寿永内乱では河内源氏嫡流を称し、源頼朝に対抗して北関東で挙兵。新田荘の成立など、上野の地域社会の実態にも鋭く切り込む。
目次
序章 義重の立場
第1章 源義国・義重の東国進出
第2章 上野八幡荘と河内源氏
第3章 上野国の荘園形成
第4章 新田荘の成立
第5章 義重の在京活動
第6章 治承・寿永の乱と義重
第7章 鎌倉幕府の成立と義重
第8章 義重と神仏の信仰
終章 新田氏の歴史的地位
著者等紹介
久保田順一[クボタジュンイチ]
昭和22年(1947)前橋市生。昭和45年(1970)、東北大学文学部史学科国史専攻卒業。群馬県立高校教諭を退職後、現在、群馬県地域文化研究協議会副会長、榛名町誌編纂委員会専門委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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叛逆のくりぃむ
18
清和源氏義国流新田氏の家祖義重に焦點を當てた書。新田氏は源氏擧兵遲參の件により、長きにわたり政治的逼塞を餘儀なくされるが、義重自身は清和源氏の長老として鎌倉幕府將軍や執權から一目置かれてゐた事實は興味深い。2015/11/14
瓜月(武部伸一)
3
南北朝内乱期に歴史の前面に出る新田氏の祖、新田義重は自ら新田を名乗る事は無く、生涯、源義重と自称していたと言う。源氏の嫡流、八幡太郎義家の嫡孫を自認していた義重だが、その北関東経営の軸は常に藤原摂関家また平家の家人としての荘園開発であった。そこは、京から独立し鎌倉幕府権力を樹立した頼朝と北条氏とは大きく異なる。義重はあくまで平安後期の軍事貴族であったのだろう。義重が開発した新田荘は今の太田市地域、義家から相伝した八幡荘は高崎市地域にあたる。いつか、義重から義貞に到る中世新田氏の活動を辿りたいと思っている。2016/02/22
Ryuji Saito
1
2015年128冊目。2015/12/09